Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

Aircraft Carrier 2.0

 ウクライナ戦争(と言ってもいいですよね、プーチン先生)は、後年の軍事史では「ドローンの戦争」と称されるようになるかもしれない。それほど無人機、ドローンの活躍は著しいのだ。偵察型、攻撃型、自爆型など多数のドローンが遠隔操作もしくは自動操縦で戦線を飛び回っている。

 

 シリアなど中東の最前線で実績を積んだトルコ製や米国製のものをはじめ、各国が開発・生産し、前線に送っている。ロシア軍も導入しているようだが、主要部品が日本製で、部品の在庫が尽きたら使えなくなるとの報道もあった。

 

 すでに「20世紀の陸戦の王」である戦車の時代は終わった。

 

戦車の世紀の終わり - Cyber NINJA、只今参上 (hatenablog.com)

 

 さらに、海上における「主力艦」の代替わりが起きるような予感がする。例えば、

 

「無人機どっさり空母」誕生か ピンチを好機とするトルコ 艦載機型バイラクタル「日本も導入を」 | 乗りものニュース (trafficnews.jp)

 

 のようなもの。スペイン海軍の強襲揚陸艦「アナドル」は、F-35Bを搭載予定だったが、バイラクタル社のドローンTBシリーズを満載(30~50機)することになりそうだとの記事である。

 

    

 

 これは強襲揚陸艦(軽空母ともいう)の船体をそのまま使うから、空母には違いはない。しかし内実は「Aircraft Carrier 2.0」と呼ぶべきものになるだろう。1941年末、南雲機動部隊が真珠湾を襲って以降「海の王者」は、戦艦・巡洋戦艦から空母機動部隊に代わった。80年近く「王者」の地位を占めている空母機動部隊だが、昨今の「極超音速ミサイル」などの登場によって、コストパフォーマンスの悪い(カネのかかりすぎる)兵器体系になっている。

 

 極超音速ミサイルも、探知できない機動部隊は攻撃できない。例えば大型潜水艦にドローン10機ばかりを搭載、浮上してドローンを発進させ、深海に退避するような戦術も考えられる。潜水空母「伊400」でパナマ運河を攻撃しようとしたプランも、今ではより強力に可能なのだ。

 

 もはや10万トンを越える巨大空母とそれを取り巻く護衛艦隊は、目立つ標的になってしまった。「Aircraft Carrier 2.0」はもっと小型の艦艇でステルス性が高く、ドローンによる航空攻撃が可能・・・というものになるように思いますね。