80年間、海の闘いの頂点にいた兵器体系「大型空母機動艦隊」が、主役の座から降りようとしている。1910年代から30年間主役の座にあった「弩級・超弩級戦艦/巡洋戦艦隊」は、英空母「アークロイヤル」のタラント空襲や、南雲機動部隊の真珠湾攻撃によって主役の座を降りた。
主役の座に座った「空母機動部隊」も、いつかは何かに追い落とされるはず・・・と80年が経ち、どうやら次の主役が見えてきた。それはドローン搭載艦(空母)。一昨年、黒海での海戦の模様から、
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と予測し、昨年、
で代替わりが近づいていることを知った。そして先月の「台北南港展覧会」での記事を見て、その交代は間近に迫ったことを確信した。

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世界最強米海軍が、保有している大型空母は11隻。ニミッツ級10隻と、最新鋭のジェラルド・R・フォード級が1隻(建造中2隻)で、中国海軍は米国海軍の背中を追いかけている格好だ。今回公試を終えた「福建」は、最新式の電磁カタパルトも装備していて、これで中国海軍の大型空母は3隻となった(*1)。単純に隻数だけで戦力は決められないが、世界中に空母艦隊を派遣してる米軍にとって、アジア海域だけに専念できる中国海軍3空母は脅威には違いない。
ただ米中両国とも、巨大空母機動部隊の価値が下がってしまえば、大幅な戦力の改編を考えなくてはならなくなる。多分、強襲揚陸艦や大型潜水艦をドローンのプラットフォームにして、最初の一撃を与える戦術が有効になるだろう。
すでにロシアでは、原油タンカーをドローンのプラットフォームにして、コペンハーゲン空港の妨害をした(*2)ようです。日本の海上自衛隊も「いずも」「かが」級の空母化が成ったとして、喜んでいる場合ではないでしょう。