米国産ながら、日本を始め多くの国の軍隊が採用しつつある最新鋭戦闘機F-35。そのBタイプは、短距離離陸・垂直着陸が可能なSTOVL機である。海上自衛隊は、ヘリコプター搭載揚陸強襲艦「いずも」「かが」などを空母化して、この機体を搭載するように改装するという。
F-35Bは、最高速度マッハ1.6、戦闘行動半径は1,000kmほど。25mm機関砲に空対空・空対地・空対艦・巡航ミサイル各種、爆弾などを搭載可能だ。ステルス性にも優れ、最強のマルチロールファイターと言われている。
その戦術行動をさらに拡大しようという記事があった。
空自のF-35B戦闘機が「はしけ」から発着? 驚愕の調査研究が前進か 防衛装備庁が造船会社と契約(乗りものニュース) - Yahoo!ニュース
陸上航空基地や空母からではなく、はしけから出撃し帰投する調査研究が始まったというのがこの記事。垂直着陸(着艦)は可能だが、垂直離陸はできないので、どのような形のはしけを想定しているのか、まだ詳細は不明だ。
しかし少なくとも、行動半径より遠くの空母から出撃させ、帰投は前進させたはしけで回収するという戦術には使えそうだ。うまい形状のはしけが作れれば、民間船に偽装したはしけから、突然最強の戦闘爆撃機が巡航ミサイルを積んで発進・・・などという奇襲攻撃も出来るかもしれない。
どこかでそんな話を聴いたなと思い本棚から探しだしたのが、1975年に米国で出版された軍事スリラー「シャドー81」。当時の最新鋭垂直離着陸戦闘機ハリアーを平底の輸送船から出撃させ、ジャンボジェットを外部からハイジャックする物語だった。
日米で評価が分かれたスリラー - 新城彰の本棚 (hateblo.jp)
空母1隻がやられたら、航空戦力が激減してしまうのが現状。これを防ぐためにF-35Bを、陸上だけでなく洋上にも分散配備する戦闘隊形も作ることができるかもしれない。ドローンの大量投入や潜水艦搭載などとならぶ新戦術、検討の余地は広がりますね。