Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

対ドローン戦術兵器は何?

 先週、日本の安全保障/防衛にあたり、RMAが必要だ(*1)と申し上げた。「Pax Americana」の時代は終わり、米国は意欲的にも能力的にも世界の治安を守ることができなくなっている。これは「もしトラ」かどうかとは別の問題で、欧州も日韓(台)も、自前で相応の防衛力を身につけなくてはならない。

 

 しかし、米国流の軍備はもちろん、中露に匹敵するような軍事力の整備など不可能だ。それなら「同じ土俵で戦わない」戦略で、作戦立案・指揮能力も、戦術・戦闘装備も、RMAしなくてはならない。これには長い年月が必要だろうが、すでにいくつか、少なくとも戦術的なRMAのヒントは見られる。

 

 ウクライナ戦争では、ロシア軍は20世紀型の作戦・戦術で侵攻してきた。これに対し、戦力で劣るウクライナ軍はドローンを多用する新戦術を展開した。黒海では、ロシア艦隊の大型艦を何隻も水上ドローンが仕留めている。

 

    

 

夜間に包囲して襲撃 ウクライナが編み出した無人艇群による艦艇の仕留め方 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)

 

 この実戦例からすると、場合によっては米国が誇る空母機動部隊も、雲霞の如く襲い来る航空・水上・水中ドローンの前ではとてももろい。マトは大きいほど不利だし、空母は可燃物・爆発物を満載しているからわずかな被害で撃破されかねない。

 

 であれば、その対策をどうするか?対ドローン戦術と戦術兵器の開発・配備が必要になる。かつては主力艦を撃破すべく水雷艇が開発され、これらを駆逐すべく駆逐艦が生れた。後には駆逐艦自身が魚雷を積んで、主力艦に肉薄する戦術も考えられた。

 

 このような戦術競争が、ドローンをテーマに起こるのは必然だろう。ドローンは小さいので、まずどうやって探知するか?これを点ではなく、面で制圧する兵器とは何か?ドローン開発と同時に、対ドローン戦術兵器開発も、これから佳境に入ってくると思いますね。

 

*1:今こそRevolution in Military Affairs(前編) - Cyber NINJA、只今参上 (hatenablog.com)