Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

G7でネオ・マッカーシズム?(前編)

 米国のポンペイ国務長官が、中国共産党を標的にした演説を行った。現在の中国を「強権国家」と位置づけ、対中包囲網を作ろうと自由世界に呼び掛けている。相手こそ違え、再び冷戦期に入ってしまったような印象だ。注目したのは「共産党」がターゲットになっていること。14億人の中国人のうち、共産党員は9,000万人ばかり。それでも十分大きな人数なのだが、そこに絞って「一般の中国人を敵視するものではない」とのメッセージを出しているわけだ。

 

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO61896950U0A720C2000000/

 

 昔もそんなことはあった。太平洋戦争終了後、日本に乗り込んできたマッカーサー元帥らは「悪いのは無謀な戦争を仕掛けた軍部であって、一般の日本人を米国はじめ自由世界は憎まない」と主張した。これに加えて米国からの産品が困窮した日本人に届けられ、「鬼畜米英」の思想は庶民から消えてしまった。

 

    f:id:nicky-akira:20200725082854j:plain

 

 当時と違うのは、まだ戦争は終わるどころか始まってもいないということ。ひょっとするとポンペイオ長官は、中国国内の民主派の人々に向けて「決起」を促しているのかもしれない。先月陳舜臣の「アヘン戦争」という書を別ブログで紹介したが、中国で王朝が倒れるのは、固定された身分制度・硬直した官僚機構・上から下までの官吏の腐敗が条件だと教えてもらった。

 

https://nicky-akira.hateblo.jp/entry/2020/06/28/000000

 

 香港や新疆ウイグルチベットなどの動きも見ながら、ややもすると中国寄りの姿勢も見せるドイツやイタリアも含めて「自由世界」は結束しなくてはならないと言うことだろう。8~9月にかけては米国がホスト役の「G7」もあり、そこでどのようなメッセージが出されるかが注目される。

 

 安倍首相も「G7」には渡米して参加することになり、例の「渡航に当たっての14日間拘束」ルールを緩和しようという動きもある。緩和の是非はともかく、オンラインでなく7ヵ国の首脳が集まるならば、対中国政策で突っ込んだ議論をしてもらいたいものだと思う。

 

<続く>