Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

ジョン・ブルおじさんは怒っている

 1世紀前と比べると凋落著しい大英帝国海軍だが、今でも2隻の大型航空母艦を持っている。クイーン・エリザベス級航空母艦の「クイーン・エリザベス」と「プリンス・オブ・ウェールズ」である。

 

Queen Elizabeth

・満載排水量 約68,000トン

・全長 284m

・出力 108,000馬力

・速力 26ノット

・兵装 CIWS3基、30mm機銃4基

・搭載機 F-35Bステルス戦闘機24~36機、MV-22を含むヘリコプター10機

 

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 ネームシップの「クイーン・エリザベス」は今月2ヵ月以上の訓練航海を終えてポーツマスに寄港した。このあとNATOの合同演習に参加する予定らしい。その彼女がひょっとすると極東に派遣され、当面常駐するのではないかという報道があった。

 

https://news.yahoo.co.jp/byline/obiekt/20200714-00188083/

 

 なぜそんなことをする必要があるのだろうか?思い当たるのは香港問題、南シナ海問題で、とうとう米国と英連邦の国々が「中国包囲網」を敷き始めたということ。オーストラリアは中国に自国民を逮捕されたりサイバー攻撃を受けたりしているとして対決姿勢だし、カナダもHuaweiCFOを拘留したまま自国民を逮捕されて「人質交換」を要求されても応じていない。

 

 オーストラリアは港やインフラを買収されそうになったし、カナダはノーテル社をサイバー攻撃で潰され通信技術や技術者を盗まれた恨みを持っている。

 

https://nicky-akira.hatenablog.com/entry/2020/06/26/060000

 

https://nicky-akira.hatenablog.com/entry/2020/07/09/140000

 

 今月にはHuawei製品を排除しないと言っていた英国も、2027年までに完全排除すると宣言した。トランプ先生の中国叩きは再選への悪あがきかもしれないが、英連邦の怒りは本物だ。老いたりとはいえ粘り強さに定評あるジョン・ブルおじさんは、決めたらテコでも動かない。今月訪英した茂木外務大臣に英国側は「5Gで一緒にできないか」と持ち掛けたという。

 

 元外交官の岡崎久彦氏は、「日本の近代史でアングロサクソンと結んだときは良く、対立した時は悪くなる」と言っていました。対中国で再度の「日英同盟」なるかというところでしょうか。