先の通常国会で可決された「改正入管法」。難民申請を繰り返しているうちは送還できなくて、コストもかかるし待遇も不十分の状況を変えることになるだろう。これに対しては非人道的との非難もあるが、ずっと居座られても困るとの世論も多い。
フランスの移民二世らの暴動、北アフリカから地中海を渡る難民、スーダンやミャンマー、ウクライナから紛争を逃れて国外へ出る人たちなど、十分広い海によって大陸と隔てられた日本人からは、もうひとつ実感がわかないのが移民・難民問題だ。
ウクライナ難民は数百万人の規模にもなり、ほんの一部は日本も受け入れているが、多くはポーランドやモルドバなど隣国に逃れている。もともと人口が多くないモルドバでは、人口の1割をウクライナ難民が占めてしまい頭を痛めている。
難民に苦しむ「西側」諸国を見て、ロシアは新しい戦術を思いついた。それは難民を「兵器」として使うこと。もちろん直接的な自爆攻撃などに使うわけではない。難民はその存在自体で、収容国の負担になるのだから。
「主力部隊」はシリア等の中東難民。これをベラルーシやカリーニングラード経由で、ポーランドやリトアニアに送り込むのだ。閉口したポーランドは国境に壁を作るなどしているが、防御力は充分ではない。非人道的な新戦術だが、有効な防衛手段がないのも確か、困ったことである。
米国に大挙して押し寄せる中国人難民、エクアドル経由3500キロ走進 激増する難民問題に耳ふさぐ外交トップ王毅の矛盾(1/5) | JBpress (ジェイビープレス) (ismedia.jp)
もうひとつ気になったのが、この記事。メキシコ国境から米国に不法入国する移民・難民が多いのは周知だが、その中での中国人が増えているという。中国の体制を嫌い、もしくは抑圧されて出国した人たちだろうが、どうしてこんな方法で米国を目指すのだろう?「ひょっとして、これって新しい中国の対米戦術?」と思わせる記事でした。