Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

維新の会の支持率上昇

 共同通信社が全国を対象にした電話調査で、各政党の支持率を調査した。その結果が公表されたが、日本維新の会が8.7%と前回から3.4ポイント上げて、立憲民主党(6.9%)を抜いて野党TOPに躍り出た。

 

https://www.sankeibiz.jp/macro/news/200511/mca2005110909007-n1.htm

 

 与党の自民党は35.1%(前回33.1%)の支持率を得ている。確かに「COVID-19」対応が遅いなどの批判は大きいのだが、それでも野党がそれをひっくり返せる状況ではないようだ。一時期期待を集めた立憲民主党は、すっかり目立たなくなってしまった。

 

 維新の会の人気急上昇は、もちろん国会での成果を反映してのものではない。大阪の吉村府知事の活躍を、世論が評価したものである。ただこの結果は僕から見ると、ある意味皮肉なものである。僕は既存政党の中では、維新の会の政策理念は一番好もしいと思っている。なぜかと言うと、国会など公的機関が身を切る改革をすべきと主張しているから。

 

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 (大阪)維新の会は、正直「放漫経営」と思われた大阪府大阪市の財政危機を10年ほどかけて克服した。その手法は徹底した「TAX Eater 叩き」である。ある記事に今回の大阪の貧困層に対する支援はいいのだが、そもそも維新の会が政権を取ってから貧困層は苛め抜かれているとの批判もあった。その記事は「維新の会は、公務員と生活保護受給者など弱者を叩くことで財政再建を図った」と言っていた。

 

 「コロナ禍」以前から、日本全体として財政赤字は膨らんでいる。昨年ようやく消費税率上げをしたのだが、その対策で費用を使っているので赤字削減は難しい情勢だった。かつて自民党は小さな政府を目指し社会党大きな政府を目指していたのだが、今では与党も大きな政府を目指し野党はより大きな政府を目指すようになった。その意味でやや小さな政府を標榜する維新の会は貴重な政治勢力なのだ。

 

 ただ「コロナ禍」で出てくる意見を見ると、

 

・医療関連への政府支出を削りすぎた。

・教育投資も十分でない(大学授業料が高い等)

・そもそも公務員が少なすぎる。

 

 というものばかり。より大きな政府へと流れができてしまいそうだ。維新の会の支持率が上がったのはいいのですが、維新の会の本質を分かってのことなのかどうか、ちょっと不安ですね。