英米の軍事スリラーを読んでいると、時折「敵はいつでも自由に時間を選んで攻撃できるが、その時こちらは座り込んだアヒルも同然だ」との表現を目にする。「Sitting Duck」というのは、まるきり無防備なものという意味だろう。
冷戦が終わった時、米国政府は空軍の縮小を考えたという。パイロットひとりを養成するのに、200万ドルもかかるのだ。カネがかかるだけでなく、戦場に居続けられないので、占領の役に立たない、基地にいるところを襲われたらとても脆いという欠点がある(*1)。その欠点が、イラン戦争で露呈した事件があった。
イランによる攻撃で米空軍の早期警戒管制機「E3セントリー」が破壊 写真が捉えた大破の状態 - CNN.co.jp
航空戦術の要である早期警戒管制機AWACSが、地上で破壊されたという報道である。この機種「E3セントリー」は、1機3億ドルほどもする高価な機体だ。

イランのミサイル(含むドローン)の命中精度が上がっているとの情報はあったが、座り込んだ3億ドルのアヒルを仕留められるほどになっているとは驚いた。推測だが、純粋に技術的な精度向上ではなく、基地周辺のHUMINT(要するにスパイ)が絡んでいるのだろう。そうだとしても、米軍の危機管理の甘さは非難されるべきだ。
もう2年も前のことになるが、ウクライナ戦線でロシアがAWACSアントノフ50を撃墜され、指揮機イリューシン20Mを撃破されるという失態を演じたことがあった(*2)。この時はロシア空軍に大きな問題(未熟・怠慢・厭戦)があると思ったのだが、米軍にも同様の問題は発生しているのではなかろうか?
とにかく戦争にはおカネがかかります。ヘグセス国防長官は追加で2,000億ドルの軍事費を要求しているようですが、納税者はそれを納得しますかね。