Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

サイバー攻撃被害の発表

 「コロナ禍」の中でも、いや中だからこそサイバー攻撃には警戒しなくてはならない。米中対立、欧州も含めた対中国の訴訟騒ぎ、台湾のWHO会合参加に関するコンフリクトと、国際情勢が緊迫しているのだ。また各国政府が緊急対策をした結果、膨大な財政赤字を抱えることになってしまい、近い将来増税話が必ず出てくる。一時期収まりかけていた「デジタル課税」論が、特に欧州あたりで巻き起こりそうだ。

 

 もちろん「コロナ禍」そのものについても、要警戒。半島の付け根の国近辺の吉林省で、「第二波の感染拡大」が起きているという情報もある。かの国や急激に感染者が増えていても経済再開に踏み切らざるを得なかったロシアなど、不安要因は一杯ある。

 

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 小は特別給付金10万円を狙った詐欺から、大は国家レベルの「ワクチン情報」を狙った作戦までサイバー犯罪/攻撃の動機は世界中に渦巻いているということだ。そんな中で、日経グループへのサイバー攻撃があったことが分かった。現時点では1万2,500人以上の個人情報が流出したらしい。

 

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58987830S0A510C2CR8000/

 

 少なくともこの記事を見る限り、日経は最善の対応をしていると思う。それは被害を受けたのが8日で、その発表が12日というのはかなり早い対応だからだ。ウイルスが仕込まれたのはずっと前、1カ月前だったとしても不思議はない。情報漏洩していることを最初に検知したのが8日だとすると、その確認や社内のどこまでウイルスが拡散したかの確認、流出した可能性あるFileの特定・・・というプロセスには時間がかかったはずだ。

 

 日経にとって一番困るのは、記事編集のシステムやメディアとしての基幹部分に被害が出ること。それを最初に確認したはずだ。その上で日経関係者のメルアドなどが洩れた可能性があることから、今後「日経の名をかたった偽メールが行くかもしれない」と警告も出している。

 

 日経さんのイベントで、サイバーセキュリティの重要性を政府や産業界が訴えたことをたくさん聞いた。その時「攻撃を受けたことを隠してはいけません。恥と思ったり、他社に迷惑がと迷ってもいけません。速やかに発表を」と多くの識者が訴えていた。

 

 今回日経さんは、その訴えを聞き届けたということですね。立派な企業姿勢と思います。