これだけ裏金疑惑などで自民党への信頼が揺らぎ、岸田内閣の支持率が下がっても、なかなか政局に至らないのは、野党が分断されているからだ。昨年12月に「市民連合」が共通政策を掲げて、衆議院議員選挙に向けた野党共闘を求めた。立憲民主・れいわ・共産・社民の国会議員が参加していた。ただ、掲げているのが、
・憲法9条改悪と専守防衛を逸脱する集団的自衛権の行使を認めない
・選択的夫婦別姓制度の整備
なので、最後のものはともかく、他の2点がある限り維新の会や国民民主は乗ることができない。現に立憲民主党の岡田幹事長が参加していたことに、支持母体である<連合>の芳野会長が不快感を示してもいる。
そこで、政治の人というより政局の人である小沢一郎議員が、新しい提案をした。新年の挨拶の中で「立憲民主党が大きな心で、維新の会とも共闘を」と呼びかけたのだ。
小沢氏、維新含む野党共闘を:時事ドットコム (jiji.com)
これまで泉代表や岡田幹事長は、維新の政策やスタンスを非難し続けてきた。もちろん維新の側も反撃し、両党の溝は埋められそうもない状況になっている。しかし、今が政局の好機と見た小沢議員は「大きな心」を求めたわけだ。ただ一部の立憲民主党議員にとっては「魂を売る」行為にも見えるので、現状の立憲民主党がそのままでは維新との共闘はできないだろう。
ひょっとすると、立憲民主党が割れ、右派が維新・国民・さらに教育無償化の会と選挙協力&連立し、左派は、れいわ・共産・社民と連係するということになるかもしれない。単に右左の問題でもなく、選挙区事情(主敵が自民か公明か、はたまた維新か国民か)によって、現職議員や公認候補者がどちらにつくかが決まるだろう。
しかし、これでは自公を加えて3極になってしまいます。やはり自民党も割れて、何らかの2極にもっていかないと、本当の政界再編(*1)はできないと思いますが・・・。