Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

「イーブン」ってどういうこと?

 日本郵政のゴタゴタは、年末はおろか年始まで続いている。昨年のことで恐縮だが、1月初頭に辞任した日本郵政グループの幹部の最後の会見には申し上げたいことがある。長門社長の人物/人品については敬意をはらうものの、会見映像の最後に、

 

 「総務省事務次官が辞め、当方も上級副社長が辞めてイーブンだ」

 

 という発言があったのには、正直驚いた。これは、僕が鈴木茂樹元事務次官と交友があったこととは無関係だ。いかにも総務省日本郵政が対立関係にあって、「相打ち」でいいという風に見える。しかし両者は本来協力関係にあって、郵便・保険・貯金の業務を通じて市民・・・特に地方の銀行等が支店を置けない地域にユニバーサルサービスを届ける責務があったのではないか。プーチン先生の「北方領土・引き分け論」とはわけが違うのだ。

 

 問題はこの「ユニバーサルサービス」と営利のバランスにある。小泉内閣郵政民営化論の背景には、銀行業・保険業に対する民業圧迫を除去することがあったと思うが、これは僕は正しいと思う。ただ郵便だけは別だった。それに圧迫されている民間郵便事業など無かったからだ。

 

    f:id:nicky-akira:20191229193251j:plain

 

 しかしもう今は事情が違う。多くの郵便は電子メールになっている。僕が「郵便」に関わった25年前でも、やってくる郵便物の90%はダイレクトメールだった。それらは本当に必要なものだろうかと思うし、電子メールで簡単に置き換えられるものだ。

 

 この人の意見のすべてがうなづけるわけではないが、元東京地検特捜部の郷原氏の今回のコメントには100%賛同する。100余年前に作り上げた「全国郵便局ネットワーク」と「全逓」という代物はもう賞味期限が切れているように思う。日本郵政全体が必要かどうかの議論をすべき時だ。

 

https://news.yahoo.co.jp/byline/goharanobuo/20191228-00156823/

 

 20年ほど前に聞いた話だが、地方の1郵便局あたり年間1,000万円ほどの使途不明金があって、それが郵政省の予算で補填されていたという。その真偽はともかく、そのくらいガバナンスが緩かったことは事実だろう。

 

 そんな体質を改善できないまま、競争相手を民間金融機関ではなく総務省と思っておられたようなら問題だし、それをうかがわせるような発言「イーブン」だけは、僕は容認できませんね。