Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

ご難続きの総務省

 菅総理の長男が役員を務める東北新社に、総務省の幹部4人が接待を受けたとされる事件、「文春砲」もここまでやるかと半ばあきれ、半ば感心した。ある程度定期的な会食だったようで、ただ出入りを写真に収めただけではなく、隣室に入り込んで会話を録音していたというのだ。先の国会で秋本局長は「業務に関する話はしていない」と答弁しているが、それはこの「証拠」で覆された。

 

 事実上謹慎中の4人の幹部だが、僕も2人の総務審議官との付き合いは長い。経団連の会合に来てもらって話を聞いたこともあるし、日米や日欧の国際会議では日本政府・日本産業界ということで一緒にテーブルに着いた。ワシントンDCやブリュッセルで、会議後のパーティで乾杯をしたこともある。大学やメディア主催のパネルディスカッションで、机を並べたこともある。

 

 彼らがどうしてこんなことになってしまったのか、正直僕には分からない。確かに菅総理総務大臣時代の経験もあって、この分野には詳しい。しかしご本人が仰っているように「別人格」なのだから、無理に付き合う必要はなかったのではないかと(外野席からは)思う。今後どういう処分になるか分からないが、総務省の中のデジタル行政分野(旧郵政省)は有能な人材を失うことになるかもしれない。1年前の鈴木事務次官更迭に続き、総務省はご難続きだという印象だ。

 

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 しかも会話の内容が自民党小林史明元総務政務官のことだというのが、とても気になる。

 

(2ページ目)菅首相長男“違法接待” 総務省局長「国会虚偽答弁」の証拠音声 | 文春オンライン (bunshun.jp)

 

 小林議員は元NTTドコモ、デジタル通で知られていて、僕は「自民党デジタル社会推進本部事務総長」として何度かお会いしている。積極的なスタンスの人だが、この記事の中の会話にあるように「一敗地にまみれないと、勘違いのまま行く」ほど軽率な人ではないと思う。

 

 秋本局長がどういう文脈の中でこの言葉を言ったのか?(中略)の中身を知りたいと思う。またその言葉の前後に、僕の知っている2人の総務審議官はどう反応したのか?小林議員は37歳と若いが、官僚と政治家は持ちつ持たれつだ。特に社会全体のデジタル意識を高めないといけないときに、デジタルに詳しい若い政治家は官僚にとっても貴重なはず。

 

 個別に知っている議員と2人の総務審議官、どういう距離感でおられるのか、僕は知りたいですね。