Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

何かが霞ヶ関の地下で蠢いている

 楽天日本郵政資本提携には、正直驚いた。経団連から抜けて新経連を作るほど先進的な会社と、旧態依然で恐らく経団連すら入れてくれないような(失礼!)企業グループが相容れるとはとても思えなかったからだ。ひとつには5G時代を控えて設備投資にカネのかかる楽天が、出資を求めたこともあろう。何しろ中国系のテンセントからも出資を受け入れているくらいだ。

 

 この両社のマリアージュについては、双方の利益や狙いを分析した記事が出た。

 

「非効率でボロボロ」そんな日本郵政との提携を選んだ楽天の本当の狙い 携帯戦争で「不要な郵便局」が武器に | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)

 

 楽天からすれば、日本郵政が旧態依然であることが逆に魅力的なのだという。確かにATMなどの機器はいれているものの、業務としてはDXの入り口にも入っていない日本郵便始め「カイゼン」の余地は一杯ある。もちろんアマゾン対抗の意味でも、津々浦々に張った郵便ネットワークは重要だ。

 

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 一方の日本郵政、この記事に言う郵便局長会などの旧弊を排除し、かんぽ生命事件で負った不審を払拭するには、身内からの改革では無理。いわば「黒船」の楽天を使って構造改革をできればというのが、増田社長の考えではなかろうか?

 

 そこまではいいのだが、僕はもう一枚裏があるように思えてならない。それは今回の東北新社やNTT接待事件を見てのことだ。旧郵政省の官僚とは付き合いが多く、まともな政策議論ができる人もたくさん知っている。ただ僕自身は許認可事業者ではないから、彼らの許認可権のことは意識していない。なるほどこういう(接待)関係だったのかと、はじめて認識した次第。

 

 であれば通信事業者としての楽天は、総務省官僚(あるいはそのバックにいる菅総理の影)に依頼したいことは沢山あるはず。ここからは僕の勝手な憶測だが、

 

楽天の希望:通信事業等での便宜+資本強化

総務省の希望:日本郵政構造改革+携帯電話料金値下げ

 

 という Deal が存在したのではないか?それは今の武田大臣以前から蠢いていて、たまたま今回発表に至ったものと考えることもできる。NTT接待問題で退職したお二人など、その一部始終を御存じなのではなかろうか?

 

 まあこの数年のうちに表に出ることはない話でしょうが、ほとぼりが冷めたら真実を知りたいですね。