イスラエルとイランの間の緊張は、やや緩んだ。どっちが先に手を出したかは判断のしようもないが、
・イランに支援されたヒズボラの跳梁
・イランのミサイル攻撃
・イスラルのイランへの反撃
ときて、最後の2つが比較的抑制されたものだったことから、両国とも本格戦闘に入る意思はないのが明確になった。それはいいのだが、そういう派手な事案の裏で、イスラエルのパレスチナ侵略は着々と進んでいる。
ヨルダン川西岸地区での強引な入植は、パレスチナ人を追い立てているし、ガザ地区でも避難民が頼る病院や学校を目標とした砲爆撃が繰り返され、犠牲者は4万人をはるかに超えてしまった。

そして今回、イスラエルではUNRUWAの活動を「国内」で禁じる法律が成立(*1)した。理由は国連機関ではあるがハマスに加担していることだが、実質ほとんどが現地(パレスチナ)採用の人であり、イスラエルから見ればパレスチナ機関そのものに見えるのだ。加えて、国連のグテーレス事務総長に逮捕状を出すネタニヤフ政権だから、国連機関への敬意などあるはずもない。
漏れ聞くところによると、ネタニヤフ政権がメディアや外国機関等に説明するとき使用するイスラエル周辺の地図には、ガザ地区は存在せずイスラエルの一部になっているという。おおかた更地にしてしまったガザ地区に、ゼロから都市・地域開発をしようと考えているのがわかる。その時もちろん邪魔なのが、まだ200万人ほどいる(!)パレスチナ人。その多くは、UNRUWAの支援なしには生き延びることができないという。
ガザ地区がイスラエル国内だとすると、UNRUWAが活動停止してパレスチナ人に生存の機会は極めて少ない。シナイ半島に逃げ延びられた人だけが生き残ることになりそうだ。
ネタニヤフ政権がやっていることは、ホロコーストそのものです。ただ、国際社会がほとんど何もできないのが、問題だと思います。米国大統領選挙も終わりました。次はどうなるのでしょうか。