先週、新500円硬貨の製造が始まった。現行のものは2000年に発行されて以来使用されていて、20年ぶりの改定となる。ニッケル黄銅製だが、今回から白銅も加わって2色模様になり、周辺のミゾにも偽造防止の工夫が見られるという。
新500円硬貨、製造開始 2色構造で偽造防止、11月発行―造幣局:時事ドットコム (jiji.com)
流通は今年11月からになるというが、なぜあと5ヵ月もかかるかというと、この記事にもあるように硬貨を扱う機械の改修に時間がかかるから。記事に「ATMなど」とあるのは、僕に言わせればちょっとミスディレクション。日本で稼動しているATMの数は、15万台を上回ることは無いだろう。昨今はメガバンクが率先してATM減らしに励んでいることだし・・・。
ATMとケタが違う設置台数なのは、各種の自動販売機。飲料の自販機だけでなく、外食チェーン店での食券販売機、いろいろな切符の自動販売機、さらには自動キャッシュレジなどスーパーやコンビニにも置かれている。これら(数は不明)を新硬貨に対応するための改修が必要になる。
ここからは推測だが、多分鑑別機構のハードウェアを交換することは無いだろう。これまでの硬貨に加えて、新500円硬貨のデータを入力し真贋を確認できるようにプログラムを変更すればいい。多分現地を回ってプログラム更新作業をするのではないか。それにはあと5ヵ月は必要なのだろうと思う。
ちなみに日本の500円硬貨というのは、世界の硬貨の中でも特に価値が高いもの。一般に流通しているコインでは、
米国:25セント(約28円)まで、50セント、1ドル硬貨はほぼ流通せず。
欧州:2ユーロ(約260円)まで
英国:2ポンド(約310円)まで
中国:1元(約34円)まで
となっている。ヨーロッパ以外では100円を超える硬貨は見かけない。麻生大臣が言うように「通貨は信用第一」、偽造されない事が重要だ。愉快犯を除けば、通貨偽造もコスパが大事。なるべく高い価値の通貨を偽造したい。また輸送を考えると紙幣の方が硬貨より楽。だから硬貨偽造は少ないのだが、例外が日本の500円硬貨。価値が高いので、かつて韓国の500ウォン硬貨(約50円)を改造した詐欺事件があった。
今回で3度目の500円硬貨改修ですが、キャッシュレス時代に本当に必要なのでしょうかね?4代目は要らないように思いますがね。