Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

巨大な国の思想統一

 台湾領空に偵察機を飛ばし、尖閣諸島には「海警局」の武装船を送ってくる中国。先方に言わせればどちらも自分の領土領海なのだから当然のことだが、こちらとしては大変な迷惑だ。ただその内実は、ほとんど分かっていない。漏れ聞く情報では、戦争をあおるような習大人の発言もあるとか。願わくば、内政引き締めのための掛け声で終わってほしいものだ。

 

 今日は2つ新しい記事を見つけた。まず、歴史認識を徹底しようという習大人の号令。

 

習氏「正しい歴史」確立指示 ソ連崩壊教訓、長期政権狙う―中国:時事ドットコム (jiji.com)

 

 米国との「新冷戦」を意識してか、ソ連崩壊を他山の石とし、共産党支配に向けた綱紀粛正を目指したものらしい。ソ連はなぜ倒れたかというと「歴史的指導者を否定する風潮が蔓延したから」との認識と思われる。党指導者だったレーニンスターリンの否定が、市民の結束を緩め冷戦に敗れたとの主張だ。これを中国共産党に当てはめれば、当然毛沢東をあがめよということになる。

 

 以前習政権は「国進民退」の時期に来ていると書いて、毛沢東紅衛兵にあたるのが習大人の「SNSを操る若者たち」にあたると主張した。SNSで資本家のジャック・マーらが糾弾されているのがその証拠、スキームは紅衛兵が資本家(の卵たち)を追い詰めたのと似ている。

 

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 二つ目はかの国でキリスト教信者が増えている、しかもそれが非公認協会の信者だという記事。確かに共産党思想の中には宗教は入らない。すべてが民心をたぶらかす邪教扱いである。

 

中国で多様化する「非公認教会」 政府の弾圧下も勢いを増す宗教事情 | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)

 

 これは毛沢東よりもっと昔、「太平天国の乱」を思い起こさせる。この宗教もキリスト教の一派だった。清朝後期の1850年から続いた内乱で、一時は南京までが陥落「天京」と呼称されるほどになった。虐げられた民衆が宗教の力を借りて蜂起し、腐敗した王朝を倒すというのが中国4,000年の歴史。習大人はこれも恐れているだろう。

 

 香港の知り合いに聞くと、習大人は初等教育段階からデジタル課程を設け、次世代の人材育成に努めているそうです。ただその呼称が「入脳」というのでは、なにか崇拝思想を植え付けているようにも聞こえますが。