軍事政権によるクーデターが起きてから、ミャンマーでは1年半が過ぎた。ビルマ族ではない少数民族(おおむね地方で、他国との国境地帯にいる)に対する攻撃は、民族浄化の気配もある。ビルマ族を含めて市民の蜂起も相次ぎ、市民側を誰が支援しているのかは分からないが、すでに内戦状態である。
先週も北部の集落を(政府)軍が空爆、子供11名が犠牲になったという。各国が軍事政権の所業に「No」を突き付け、この国も制裁対象になっている。確かに日本のODAは年間1,800億円にも上り、これはクーデター前の同国の軍事費2,000億円に匹敵する。軍部のクーデターの動機は、この予算を守るためとも言われるから、日本は重要な支援者なのだ。

日本の同国への支援は、直接のカネに留まらない。僕自身も同国のデジタル人材開発に一役買ったことがあるが、防衛省も軍部への人材育成を支援していた。
防衛省 ミャンマー軍幹部の留学生としての新規受け入れ停止へ | NHK | ミャンマー
各国が非難するクーデター後1年半経って、ようやく新規の留学生受け入れを止めるという報道に、ちょっとあきれてしまった。確かにこういう関係は、すぐには止めにくい。現に留学している人をどうするかという問題もある。しかし少なくとも1年前に決断していても良かったのではないか。それでも、新規受け入れが止まるのは今年の4月だったはず。
かねてメディアは「日本政府はクーデター政権との特別なパイプがある」と報じていた。それは、カネ以外にもこのような人的なつながりが深かったことを指しているのだと思う。それに、この書によると、ミャンマー軍は帝国陸軍が育てて、伝統は(悪しきもの含めて)しっかり受け継がれているとある。
帝国陸軍が遺したもの - 新城彰の本棚 (hateblo.jp)
前世紀の遺物のようなクーデター政権、出来るだけ早く消えて欲しいと思います。