軍事行動を続けるイスラエルには、米国が積極的に支援している。ハマスやヒズボラにはイランの支援があると伝えられる。ロシア軍と暗闘を続けるウクライナには欧米(ちょっと米国が心配だが)の支援がある。まだ銃火が交わされていない台湾にも、米国の支援が行われている。
ところがほぼ内戦の状態になりながら、あまり支援の情報がないのがミャンマー。2022年度までは日本も1,800億円ほどのODAを、軍事暫定政権に送っていた(*1)が今年度はそのような情報はない。
<一帯一路>の重要国であり、エネルギーパイプラインを建設している中国にとって、この内戦は困った事態だ。しかし暫定軍事政権にあからさまな支援をしている様子はない。
クーデターを起こし民主化運動を弾圧した軍に対して、民主化勢力や少数民族が蜂起して、激戦になっている。NHKBSで最前線レポートを見たが、
・抵抗する民兵は数十万人規模でいて、志願するなどして増えている
・10歳代の兵士が多く、訓練・装備は不十分だが士気は高い
状況にある。航空戦力やAFVなどあるはずもなく、M16、AK47などが混在していて弾薬の融通も難しそうだ。しかし、M700狙撃銃やRPGは持っていた。
別の報道では、軍の兵士は士気が低く、脱走兵が出ているらしい。このままでは「国家分裂の事態になる」との悲鳴が上がる。
「国家が分裂する」…戦況悪化でミャンマー国軍側が危機感 防戦で「戦闘機もパイロットも休む暇がない」:東京新聞 TOKYO Web (tokyo-np.co.jp)
政権中央が重視していなかった北部に拠点を持ついくつもの少数民族が、「北部同盟」を結成して事実上分離独立してしまいかねないのだ。中国にとっての悩みは、そこを通らないと、パイプラインが敷けないこと。
まさか中国軍が南シナ海、台湾海峡以外に軍を派遣するとは思えないのですが、このまま誰も(どちらにも)軍事支援しなければ、闘いは果てしなく、犠牲者も増え続けるでしょう。