Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

AIは雇用の脅威じゃないはず!

 アニメ産業は、製造業偏重だった日本の産業界を(ある意味)変革してくれた、貴重な輸出産業だ。日本が嫌いな中国人も韓国人も、日本のアニメは大好きという若者が多い。ただその現場は結構過酷、長時間労働・低賃金・運不運がつきまとう。すでにより安い労働力がある海外に、制作現場は移転しつつある。

 

 そんなアニメ業界の助けになるかと思われたのが、画風学習AI「mimic」である。15枚以上の自作イラストを送れば、画風を学習して「70点程度」の新作画像を制作してくれる。ベータ版が提供されて、試用が進んでいた。ただ「本当に自作イラストか」という検証が十分できていなかったということで、現在は休止中。10月にもその点を改良したバージョンで再スタートするという。

 

AIはイラストレーターの敵?殺到した批判、開発側の思い【時事ドットコム取材班】(時事通信) - Yahoo!ニュース

 

    

 

 この種のサービスは、仮にすべてが合法でも「炎上したら終わり」という課題を持っていて、開発会社「ラディウス・ファイヴ」は正しい進め方をしている。気になるのはメディアの反応で、上記の記事のような「AIがイラストレータの職を奪う」的主張には賛同できない。過酷な労働環境を改善する新しいツールと、肯定的に捉えて欲しいものだ。自作か否かの検証方法は公開されていないが、十分に説明責任を果たしてもらえば、サービスは普及するだろう。

 

 僕はもう一歩進んで、自作でないものでもこのサービスを(有意に)活用する道があるのではないかと思う。例えば「鉄腕アトム」の新作を、今もあるのか不明だが<虫プロ>が制作してくれれば、往年のファンは喜ぶのではなかろうか。以前、故人の映像等から「死者を蘇らせる」ことを書いた。

 

To Wake the DEAD - Cyber NINJA、只今参上 (hatenablog.com)

 

 これよりは、種々のハードルは低いと思うのですが。