Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

日本でも戦車不要論の始まり

 ウクライナ戦争は、第二次世界大戦型の戦争を仕掛けたロシア軍に対し、21世紀型の戦力で立ち向かう比較的少数のウクライナ軍が善戦している。衛星画像や電波傍受など、データ戦によってロシア軍の行動は「丸見え」。ウクライナ軍は、将官や軍艦、補給基地などの位置や状況を精確につかみ、適切な方法でこれを攻撃している。

 

戦車の世紀の終わり - Cyber NINJA、只今参上 (hatenablog.com)

 

 何度か紹介しているように、戦術級でも大きな変化が見られる。20世紀の陸戦の王だった戦車は、その座を追われようとしている。第二次欧州大戦ではヒーローだったのにね。そういえば、ロシアの対独戦勝記念日のパレードの映像に、T-34/85が出ていた。1943年に登場している戦車だから、もう80歳近い。避弾経始というナナメ装甲を採用し、幅広のキャタピラで機動性を確保、高射砲転用の85mm主砲は、ほとんどのドイツ戦車を正面から葬ることができた。

 

    

 

 さて現代の戦車戦、最新鋭のT-90Mも投入されているが、初めて破壊されたことが確認されている。最新兵器<ジャベリン>の前には、最新鋭でも敵わないということだ。「戦車の世紀の終わり」議論は世界中で起きていて、日本でも始まったらしいが、その発端がいかにも日本的。

 

財務省が戦車の有益性を辛辣に指摘した真の意味 | 日本の防衛は大丈夫か | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース (toyokeizai.net)

 

 いいだしっぺはなんと財務省、1両14億円もする10式戦車も、1発2,300万円の<ジャベリン>でお陀仏になってしまうとある。さすがは財務省、コストパフォーマンス論できたね。国防力がどうのという以前に、国家財政の方から注文が付いた格好だ。このところ「防衛費GDP2%論」も出て来て、財務省としては「そう簡単にはやらせませんよ」ということらしい。

 

 戦ったことのない軍隊や実戦で使用されていない兵器が、どれだけ役に立つかは未知数だ。だから自国が戦争できない環境なら、戦争する国に輸出して兵器を試すのが普通。それがこれまではできていない日本だから、戦車に限らず小銃・拳銃にいたるまで、未知数のものばかり。戦車等大型兵器のコストパフォーマンス議論もいいのですが、小物も含めて Battle Proof する仕組みを考えてくれませんかね。