Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

熱海土石流災害の原因究明

 先週も熱海には、相当な量の雨が降った。「はしり梅雨」の気配で、雨がちの日が続き、金曜日夜には豪雨となった。市役所の広報が「土石流の危険性」を訴えていて、昨夏の災害を思い出した。さらに土石流の原因となった違法盛り土をした業者を百条委員会が尋問していて、行政責任を検討していた第三者委員会が、静岡県熱海市の連携不足を指摘したうえで「断固とした措置を取らなかった」とする報告書を提出している。

 

「断固とした措置取らず」 行政の盛り土対応失敗―第三者委が最終報告・熱海土石流:時事ドットコム (jiji.com)

 

 県の担当者も市の担当者も、すでに10年以上前に現場の盛り土の問題については把握していた。しかし盛り土(というか残土廃棄)をしている事業者に対し、排水設備を設けるなどの安全措置を取るよう強制しなかったことが、今回の被害を招いたという主旨の報告だった。県も市も、ここまでの惨事は予想しなかったのが甘かったと言いたげでだ。国土庁出身の斉藤市長は「報告書の根拠となった資料に偏りがある」と反発している。

 

    

 

 表に出た報道はここまでだが、僕自身付き合いのある人達と会話していると、もう少し深い事情が聞こえてきた。まず、熱海市役所には土木技術者は一握りしかおらず、手が回らなかったのではないか。斉藤市長の前の市長が建設会社の社長で、長く市の仕事を受けてきた。市に土木技術者が少なくても(丸投げして)廻せていたが、新市長の公共事業改革で、その関係が崩れたようだ。

 

 このような案件については、市が前面に出るべきだが、県も十分な支援をしなくてはいけない。しかし、駿河遠江と違い「伊豆の国」は県庁とは距離があったのではないか。残土を捨てた事業者にしても、神奈川県より規制の緩い静岡県だから捨てに来たと思われる。県の規制意識も低かった。

 

 問題点を把握しながら、なぜ安全措置を強制できなかったかと言えば、やはり「闇の勢力」がからんでいたともいう。地元の人達も知っている人は知っていて、しかしその「勢力」を恐れて声を挙げられなかったらしい。

 

 ひとつひとつはありそうなこと、しかしそれが複合的に重なり合って、死者27人行方不明者1人の被害をもたらしたようです。これらの話、僕には確かめようもありませんが、原因究明はこれで終わりにせず、真実を明らかにして欲しいものです。