Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

「AIの判断です、以上」は困る(後編)

 いわゆるデジタルプラットフォーマーの中には、伸び悩みに苦しんでいる企業もある。労働争議に悩んだり、サブスクの会員減に見舞われたり、ビジネスモデルが揺らいで株価が低迷したりしている。

 

 「メリカリ」の場合は、僕から見るとセキュリティ面の課題が大きい。もともとフリマには「詐欺」はつきもの。金銭の流れも大きくなって、クレジット被害やフィッシング詐欺対策に費用がかさんだらしい。「ご禁制品」や「まがいもの」の出展にも、留意しないといけない。

 

 メルペイの与信は、利用者の行動情報を使って多様な与信ができるのが特徴。属性情報(どんな企業に務めているか、役職はどのくらいか)で枠を決めるクレジットなどとは情報の利用法が違う。与信についての情報活用について、僕流の説明をすると、

 

◆銀行が企業のつなぎ融資をする際に、

1)まず決算書を見て、融資の可否や金利を決める。

2)決算書が思わしくなくても、不動産等担保力があれば融資する。

 

 のだが、ここに電子商取引企業が割り込んできて、

 

3)電子商取引履歴から売掛金を見て、その確実さを計測して融資を判断する。

 

 ことができるようになった。確実な売掛金があることを把握できる電子商取引企業ならば、それが見えない銀行よりはずっと安い金利(&リスク)で融資ができるわけだ。

 

    

 

 属性情報(決算書・不動産担保)で判断するクレジット型ではなく、行動情報(売掛金やその回収確度)での判断ができるメリペイ型の方が、判断は迅速にかつ低リスクでできる。今回同社は、AIで個人の与信を行って、与信限度額を変更したらしい。広報によると、

 

「詳細はお伝えできませんが、当社では、お客様に安心・安全にサービスをご利用頂くため、返済能力調査を精緻化する取り組みを行っております。その一環として弊社内のデータと法令に基づき提供される指定信用情報機関のデータ等を基に定期的に与信ロジックの変更を実施しています」

 

 となっている。要するにメリカリ市場等での不正や決済問題などが無くても、(AIが判断しましたので)与信限度額を引き下げますと言っているのだ。これってAccountabilityになっていないよねと言うのが、僕の印象。

 

 なるほど、欧州委員会の問題意識も少しは理解できました。Accountabilityねえ、企業も個人もこの言葉を理解するように務めないと・・・。