Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

やっぱり「鉄のトライアングル」

 もう慣れてしまった「緊急事態宣言」、Golden Week中に熱海の駅前、銀座通りの混雑は昨年より多い。特に若い人が目立つ。イギリス型の変異ウイルスは、若い人にも感染し重症化もするという。感染後早く症状が出て治りにくい、しかも他人に感染させる期間はずっと長い。これが「感染力1.7倍」の意味だろう。大阪などでの感染拡大は、「俺たちゃ大丈夫」と油断している若い人たちによるところが多いと思われる。

 

 先月の「朝まで生TV」も「COVID-19」特集だった。そこでの議論で中心になったのは厚生労働省の無策・・・というより例の「鉄のトライアングル」の頑迷固陋さだった。与野党の国会議員も医師だったし、多くの医師が出演する中、医療ガバナンス研究所の上昌広医師の発言が非常にクリアだった。そのエッセンスはこの記事に込められている。

 

ムダに潰れたGW…緊急事態宣言が「仕方ない」で済まない理由 | 富裕層向け資産防衛メディア | 幻冬舎ゴールドオンライン (gentosha-go.com)

 

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 要するに、

 

1)厚労省PCR検査抑制に努めていて、英国比1/28でしかない。確たる情報なく諸外国で当たり前の対処をせず、市民への自粛要請しかしていない。

2)患者を受け入れるべき病院が動かない。世界一多いベッド数(人口比)を持つ日本の医療界で、1,000名そこそこの重症者で「崩壊」に至ったのは人災。

 

 ということ。厚労省・医師会・族議員のトライアングルは持ちつ持たれつで、厚労省が診療報酬を1円単位まで決められる状況では医師会は厚労省に協力せざるを得ない。一方医師会は、地方議員の後援会長などもしており族議員には強い。議員は当然厚労省を抑え込むことができる。

 

 第一次安倍内閣を吹き飛ばした年金問題、総理ともども苦労された塩崎(当時)官房長官は第二次安倍内閣で厚労大臣となり改革に努められたようだが、果たせなかった。「朝ナマ」でも厚労省改革がいかに難しいか、厚労大臣経験者の舛添元都知事(久しぶりやね)も強調していた。

 

 僕は同省は現業官庁だと思っていたのだが、聞くと政策官庁。実行策は年金機構などの外郭や医師会などに丸投げらしい。なるほどそれでは「COCOA」などシステムの不具合に目が届かなくても当たり前だ。

 

 さて人災と言われた今回の件、多数の犠牲者(失業~自殺)も出しています。同省はどう責任を取るつもりでしょうかね。