Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

デジタル教科書への要望

 菅政権の目玉政策であるデジタル庁、担当大臣の平井先生は意気軒昂である。デジタル庁は日本社会全体のDX(Digital Transformation)推進の司令塔であってほしいのだが、具体的にどこから手を付けるのかなと興味を持ってみていた。すると、

 

https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2010/06/news153.html

 

 という記事が出た。「COVID-19」で医療・教育分野のオンライン化が少し先行したことから、教育分野で一歩踏み出そうということらしい。通常なら文科省が「徹底抗戦」するところだが、荻生田大臣からも前向きな回答があって少し希望が持てる。しかしあるアンケートでは、デジタル教科書導入に反対する人が67%と2/3を占めるという。反対理由は不明だが、端末が高価で買えない家庭には負担が大きいことが含まれているように思う。

 

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 僕は今や「オンラインアクセス権は基本的人権」だと思っていて、水や空気のようにインターネット接続の環境は、(自助・共助・公助の順番だが)最終的には政府が責任を持つべきだと考えている。だから、「買えない」というのは理由にならない。次に想定されるのは「使えない」ということだが、使えるようにすることこそ教育。デジタル教科書の使い方から教えるべきだ。

 

 結局教科書の策定・認可・印刷・出版などの各プロセスに係っている人たちが「抵抗勢力」となって、反対運動をしているものと思われる。菅政権にはぜひここを突破してほしいのだが、加えてもうひとつお願いがある。それは「教科書」そのもののありようを考え直して欲しいこと。

 

 教科書の目的は「児童生徒が学習できること」なのだから、教材であればいいわけだ。デジタル化できるのだから、2次元の紙の制約はもうない。学ぶべきことの列挙とともに、その解説(黒板に先生が書く授業)も一緒にデジタル化して含めてしまえばいいのではないか。

 

 霞ヶ関の人だって「大臣レク」にスライドと説明のセットでいくでしょう。算数でも社会でも従来の紙の教科書のPDF版にするのではなく、スライドと解説動画の組み合わせにして「デジタル教科書」として欲しいです。え、じゃあ現場の教員はどうすればいいかって?板書していた時間がなくなる分、児童生徒の学習進捗管理に時間を割けますよね。ご検討いただけますようお願い申し上げます。