Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

主流/反主流の逆転劇

 激戦の自民党総裁選の結果、「五度目の正直」で石破茂氏が総理/総裁のイスを得た。総裁のイスの感想は「こんなものか」だったが、実に正直な言葉だと思う。高みにあって手が届かなかったものが、得てみると「こんなもの」だったということ。

 

 総裁選挙中にいろいろなこと、恐らくはご本人がやりたいことを述べていて、総選挙は急がず「好敵手:野田代表」との論戦をたのしみにしていたようなのに、自民党の枠組みに縛られ早期解散となるなど、ブレた印象はある。

 

 ただ閣僚選任については、我を通したと思う。防衛相経験者を多用したのはともかく、村上誠一郎議員を総務大臣に起用したのには驚いた。旧安倍派から入閣がなかったことも併せ、事実上「安倍政治との決別」を意味したからだ。

 

アベ政治とは何だったのか - 新城彰の本棚 (hateblo.jp)

 

    

 

 この書は安倍&菅政権に厳しい批判をしたもので、抗う記者望月衣塑子氏をはじめ、第二次安倍政権で霞ヶ関を追われた古賀茂明氏と前川喜平氏、野党の大物小沢一郎議員らと並んで、党内野党の代表格石破茂議員、村上誠一郎議員の名前がある。

 

 特に村上議員は、安倍元総理の国葬に反対し、国賊呼ばわりしたとも伝えられる筋金入りの反安倍派。そのような人を、総務大臣にしたというのは強力なメッセージである。僕たちは総務省を旧郵政省のデジタル政策官庁としか見ていなかったが、旧内務省の流れを汲む旧自治省系の権限ももっている。

 

 菅元総理は、小泉内閣時代竹中総務大臣のもとで総務副大臣、第一次安倍内閣総務大臣を務めた。この間握った総務官僚の情報や人事構想で、大きな政治権力を得たと言われる。小泉内閣が叩いた郵便局長会も復活させ、自民党の集票マシンとして「郵便局ネットワーク」を使い、ふるさと納税など「地方創生」権益も持っていた。上記の書にあるように、NHK支配もしてメディア全体を統制し長期政権を支えた。

 

 その省庁に、反安倍政治の旗手が乗り込みます。デジタル政策では継続性をお願いしたいですが、主流/反主流の逆転劇(*1)がどんなふうに具体化してくるか注目していますよ。

 

*1:そういえば、デジタル大臣になった平氏が「これからは主流だ」と叫んだ映像も印象的でしたね。