モスクワ・ベルリン間で、1941年~1945年に戦われた第二次大戦のメインイベント「独ソ戦」。ソ連の戦死者は1,100万人超、ドイツ側も500万人を失ったという。ソ連では「大祖国戦争」とも言われ、厳寒だったり泥濘だったりする大地で日本人には想像もつかない規模の戦闘が続いた。
もともと戦車大国だったソ連は、T-34やKV-1が敵に通用することを学び、これらを改良して陸戦の優位を保とうとした。総じてソ連の戦車はキャタピラの幅が広く接地圧が低くなるので、ぬかるんだところでも相応の機動力を保てた。またスターリンは戦車に対しての正しい認識を持っており、戦車の重量が重くなりすぎないように指導し続けた。より大きなもの強いものをもとめたヒトラーより、その意味では優れた戦争指導者だった。
ドイツにとどめを刺した戦車たちを紹介しよう。右から順に、
◆重戦車KV-2
兵装:短砲身152mm砲、車体機関銃(火力2)、
同軸機関銃(火力4)、砲塔後方機関銃(火力2)
装甲は見た目ほどではない(正面8、側面他8)
移動速度:9ヘクス/ターン
KV-1の発展後継型だが、戦車とは呼べないくらい機動性がない。主砲も前方固定式であるし、用法としては厳重にまもられたトーチカを攻略するような、突撃砲的なものだろう。ただ難点は装甲厚、図体がでかい割には薄く敵に近寄らなければいけないAFVなのに、近づきすぎると撃破されかねないという難しいものになってしまった。
◆中戦車T-34/85
兵装:長砲身85mm砲、車体機関銃(火力2)、同軸機関銃(火力4)
装甲はまずまず(正面11、側面他6)
移動速度:18ヘクス/ターン
第二次大戦最良の中戦車であろう。T-34/76の欠点であった、一人用砲塔を改善し高射砲だった85mm砲を積んで、ドイツ戦車に劣るところはなくなった。避弾経始のためにナナメ装甲版を持っている優位はそのまま、砲塔が改善されたのだから「最良」との評価もうなずける。発展途上国などでは、いまだに現役の車両もあるという。
◆重戦車KV-85
兵装:長砲身85mm砲、車体機関銃(火力1)、
同軸機関銃(火力4)、砲塔後方機関銃(火力2)
装甲は厚くない(正面8、側面他6)
移動速度:12ヘクス/ターン
KVの車体に85mm砲を積んだもの。KV-2よりはずっと動きやすくなった。しかし装甲も移動力もT-34/85に及ばず、このあたりがKVというAFVの限界だったかもしれない。
◆重戦車JS-3
兵装:長砲身122mm砲、同軸機関銃(火力4)
装甲はぶ厚い(正面26、側面他11)
移動速度:13ヘクス/ターン
JSシリーズの最終形。実戦に投入されたかどうかも自信はない。JSとは、ヨシフ・スターリンの略号。最終兵器としてのネーミングだろう。長砲身122mm砲は、全てのAFVを撃破できよう。課題は搭載弾数が少ないこと。まあ弾切れになっていても、怖いですがね。