民主化に向かっていたミャンマーでクーデターが起き、暫定軍事政権が実権を握って4年半になる。一時期僕自身も何度か足を運び、大学教員のリカレントなどで協力した国。今でも多くの日本人が、市民のために働いている。ただ、僕も知らなかったロヒンギャ迫害という陰もあり、一筋縄ではいかないエリアでもある。
当初市民の抵抗を実力で排除して、強権を振るってきた軍事政権だが、このところ旗色が悪い。僕はすぐにでも中国軍が入ってきて、傀儡化するのではないかと危惧したが、そうはなっていない。民主派勢力の駆逐に手間取るうち、彼らも武器の扱いに慣れてくるなど、侮れない敵に成長してしまった。加えて少数民族が一斉に蜂起して、正規軍は押されつつある。

そこで徴兵制を敷いたのだが、国境近くの青年たちはタイなどに逃れてしまい、思ったほど人数が集まらない。軍事政権は旧日本軍が育てたとの説(*1)もあるが、旧日本軍式教練で、今のミャンマー青年を抑え込めるとも思えない。ついには、民兵組織(事実上の徴兵拡大)までやることになった。
弱体化のミャンマー国軍、治安強化へ「民兵組織」 市民に武器供与も(朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース
これは苦肉の策で、そのまま武器をもって民主派勢力に行ってしまうかもしれない。より小さな戦闘集団がばらまかれて、国全体が液状化するかもしれない賭けである。ミャンマーが液状化したら、周辺国は困るだろう。特に重要な石油パイプラインや交通網を多額の投資で敷いた中国は、苦慮しているはずだ。
中国軍がミャンマー国境で実弾演習へ 少数民族武装勢力を警戒、「安全と安定を維持」 - 産経ニュース (sankei.com)
今はこの記事にあるように国境地帯で演習をして見せている程度だが、より強い圧力をかけることを考えているに違いない。クーデターが起きて早々、プーチンがシリアに部隊を送ったように進駐しておけばよかった・・・そう思っているのではないでしょうかね。