Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

映像が溢れる時代

 先週の「安倍元総理暗殺事件」、選挙前の一日は事件の映像が繰り返し放映される日になった。最初はTV局が演説会の様子を撮影していたビデオくらいだったが、視聴者が撮影したものを含めて生々しい映像や、事件の前に容疑者が演説会が開かれる予定の場疎を徘徊(偵察?)している映像も出てきた。何ヵ所かボカされた部分もあって見づらかったが、選挙関係の映像を流せないので、やむを得ない措置だと思う。

 

 2ヵ月ほど前、「ゼロトラスト」を提唱し始めたという米国人と議論するイベントに参加した。彼はネバダ砂漠の中心地から中継で参加、恐らく米空軍のOBだろう。リスク管理の実践について、オバマ大統領の警護を例に説明してくれた。

 

・目的 大統領とその家族の生命を守ること

・警戒対象 危害を加えることのできる範囲にいるすべて

 (例外なく信用しないのでゼロトラストという)

・警護フォーメーションの例 警護対象の左前、右前、左後ろ、右後ろに配置

・警護担当の装備 長めのコートの下には、短めの武器と防弾チョッキ

 

 教えてくれなかったが、武器は多分ショットガンか、銃身の短いM4カービン。防弾チョッキは警護担当ではなく、警護対象を守るためのもの。

 

        

 

 怪しい動きがあれば、警護対象を伏せさせ、その上に警護担当(とその防弾チョッキ)がかぶさるわけ。

 

 今回の元総理暗殺事件、種々の映像を見ているうちに警備は万全ではなかったと、上記のような話を思い出しながら考えた。警視庁のSP1人と、奈良県警の警備班が40人いたとの報道もある。しかし、誰一人最初の銃声がしてからも、警護対象を伏せさせる行動に出ていない。

 

 映像を見た警備の専門家たちも、口をそろえて「1発目が外れ、2発目を撃つ前にできることはあった」と言う。ただ(手製とはいえ)銃器による暗殺などというものが、警護担当の想定外のかもしれない。

 

 素人の僕まで、種々の映像を見られたのは、事前も含めて多くの人が動画カメラを持っていたからだ。TVに流れたものはちゃんと編集してあるのだろうが、そうでないものもネット上には流れているだろう。映像が溢れる時代の、なんらかのレギュレーションが要るかもしれないと思い始めた。

 

 米国アリゾナ州では、法執行中の警察官の行為を近距離からビデオ撮影することを禁ずる州法が出来たそうです。今後、多くの国で議論されることになると思います。