Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

海上保安庁の実力

 海上自衛隊に比べ地味な存在だった海上保安庁を、一気に有名にし女性ファンも増やした映画「海猿」。国交省の人に聞くと、その御利益は非常に大きかったとのこと。ただ、このところ漫画原作者と映像化主体の間で軋轢が起きていて、この物語もその渦中にある。コミック誌等で有名になった作品を映像化するのは、全くのオリジナル作品に比べればリスクが低い。しかし、原作者の意図とビジネス側の意向を上手く調整できないと、今回のような不幸を招くことになるわけだ。

 

 このため少々人気下降気味の海上保安庁だが、その実力は(上記の作品含めて)十分知られているわけではない。例えば、中国海警局の艦船が中国漁船を守って尖閣領域に侵攻しても、海上保安庁の手には負えず、海上自衛隊も種々の縛りによって対応が難しく、尖閣諸島はやすやすと占領されるとの言説がある。

 

    

 

 写真は那覇港に停泊している、海上保安庁つがる型巡視船<ちくぜん>。1983年就役のベテランで、排水量は3,000トンほど、ヘリコプター1機を搭載している。1999年の能登半島沖不審船事件では、ターゲットに20mm機関砲を撃ち込み追い詰めている。

 

 後年の巡視船はより大口径の40mm機関砲を装備しているが、中国海警局の艦船はより大型で76mm砲を装備している。海上保安庁の巡視船では、太刀打ちできないとするのが通説だ。しかし、この記事はそれを否定する。

 

日本の領海でウロウロするしかできない…元海上保安庁長官が明かす「中国船が日本漁船に手を出せない理由」 海保の実力と実績は世界トップクラス | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)

 

 中国海警局の艦船は未熟だし、主砲にしても40mm機関砲は76mm速射砲に勝るとある。確かに日清戦争黄海海戦では、中国海軍の巨艦<定遠><鎮遠>の305mm砲に、日本海軍の120mm砲が撃ち勝った記録がある。

 

 そんな事態は起きないことを祈りますが、いざという時海上保安庁海上自衛隊らの連携で、早々に撃退してくれることを期待しますよ。