Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

次のインバウンド狙い

 日銀さんが頑固に「ゼロ金利政策」を続けてくれるものだから、円安が止まらない。各国の中央銀行がインフレ対策で政策金利を上げ、日本円との金利差が拡大して円売りが加速する。日本も金利上げたらと聞くと、識者から「国債金利負担が増えるから無理」と言われてしまった。

 

 持っている「円資産」が日々減っていくのに、何もできないのは情けない限りだ。ただ一部で安い円を背景にした「次のインバウンド需要」を狙う声も聞かれ始めた。「COVID-19」禍の入国制限も徐々に緩和されているし、「サル痘」もそんなに怖くないということで、国際航路は復活しつつある。

 

    

 

 特にカジノ誘致に熱心で万博も予定されている大阪圏では、インバウンド狙いの開発が進んでいると聞く。ただここで注意して欲しいのは、どんな訪問客を招くかということ。これまでのインバウンド政策のKPIは、来日の人数か人数×滞在日数だった。これではダメだと、産業界の識者は言う。KPIは「どれだけカネを落としていってくれたか」であるべきだ。

 

 僕ら夫婦は「COVID-19」禍の前は、海外旅行が大好きでよく行っていた。最初パリのマレ地区にある小さなアパートメントを1週間借りて「暮らすパリ」を経験し、徐々に行き先やアパートメントを変えてきた。上の写真はローマ、下の写真はバンクーバーでのものだ。いずれも2名で1週間以上の滞在が基本。

 

    

 

 これらに比べて、日本国内の長期滞在型施設は、10名まで泊まれますなどと大型のものが目立ち、値段もびっくりするほど安い。国内でも同様の1週間滞在プランが好きな僕たちだが、行きたい街(福岡・金沢・神戸や東京でも浅草地区)では2名でゆったり暮らせる施設が少ない。

 

 しかし一昨年横浜馬車道に「オークウッド・スイーツ」が開業したのを初め、いくつかの高級コンドミニアムが生まれている。「オークウッド」の三井不動産だけでなく、東京ドームもそんな計画を進めているとの記事があった。

 

東京ドーム、ホテルに滞在型アパート 3年で200億円投資: 日本経済新聞 (nikkei.com)

 

 せっかくの円安、次のインバウンド需要を喚起するなら、安いアパートに10人で泊まりに来る客ではなく、1LDKに2週間滞在してくれる客がターゲット。そんなマーケティングをしませんか?街ぐるみで。