Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

北朝鮮サイバー部隊の実力

 先週あたりから、北朝鮮関連のニュースが増えているように感じる。中には韓国の原子力施設へのサイバー攻撃というものもあり、これはいつもの技術情報狙いらしい。もうひとつは食糧事情の窮迫。やはり昨年秋の自然災害が堪えているのと、「COVID-19」騒ぎで中朝国境を閉ざし(貿易量90%減との情報もある)ているのが響いているのだろう。

 

 世界食糧計画(WFP)は北朝鮮向け食糧支援用の資金が、不足(予算額の22%)していると訴えている。ただし核兵器作るぞ、ミサイル撃つぞ、潜水艦からも攻撃できるぞと仰っている方に無料で食糧をどうぞなどと言っている方が、どこかおかしいような気もする。

 

 あの気高い正恩先生まで、食糧事情のよくないことを認めていて、

 

・バナナ1kgが5,000円

・コーヒー1包み1万円

 

 との噂もある。そこで北朝鮮の公式声明も少し変化をし「米国に対して対話と対決、両様の構え」をすると言い始めた。これを米国側は「興味深いシグナル」と受け止めているようだ。

 

米補佐官「興味深いシグナル」 北朝鮮の「対話と対決」姿勢:時事ドットコム (jiji.com)

 

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 もちろんかの国の姿勢が一気に変わり、核の放棄や拉致問題の解決(被害者開放)に傾くとは思えない。しかしなんらかの交渉は可能になってくるだろう。それを後押しする方法は、やはり食糧支援ではなく「圧力」だ。僕が考える「圧力」は、北朝鮮への「サイバー反撃」。かの国には、人民軍偵察総局の121部隊に、約2,000名の能力の高いハッカーがいて、支援兵力を含めると6,000名ほどの規模になる。

 

 主任務は、仮想通貨交換所などを狙うサイバー攻撃で、核開発等の資金を調達すること。デジタルに明るい若者にとっては、憧れのエリート職場である。逆に言えばここが攻撃されれば、かの国の資金調達のいくらかが困難になる。121局が気にしているだろうことは、先日の「コロニアル・パイプライン事件」で犯行集団「ダークサイド」が自らのサーバーも身代金も失って消えてしまった件。詳細も分からず、同じような「サイバー反撃」を食らったらと危惧しているのではないか。

 

 「いやいやダークサイドごときは素人集団、こちらは鉄壁だよ」と仰るかもしれないのですが、いずれにせよ121局の実力が試されることはありそうですね。