Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

サイバー攻撃の非対称性

 半島の付け根の国将軍様は、今年はなかなかアクティブ。再三ミサイルを撃ち、米国の気を引こうとしている。ただ米国バイデン政権は、正直それどころではない。ウクライナの状況が差し迫っているし、中国との対峙も(着々と)エスカレートしている。米国本土まで届かない「ロケットマン」なら、ちょっと放置しておこうと思うのが当然。

 

 しかし、なにも米軍を動員しなくてもかの国を懲らしめる方法があることが、この記事で分かった。

 

北朝鮮に狙われたハッカーが怒りの報復 一人で北の全サイトをダウン|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト (newsweekjapan.jp)

 

 米国在住のハッカーが、独力でかの国のサイトを次々に無力化したという内容だ。そもそも1年前、かの国が有力なハッカーたちにツールを配ると称して侵入(バックドアを仕掛ける)を試みたのがきっかけ。国と国の争いならともかく、俺個人を狙ってきたのかと怒った彼は、たった一人で反撃に出たわけだ。

 

 まずかの国がどうして個人を狙ったのかについては、この記事は何も触れていない。推測するしかないが、方々に仕掛けをしている中でたまたまバレてしまったケースと見るのが妥当だろう。

 

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 有名なハッカーのPCに侵入できれば、そこを起点に何か(ランサム攻撃や暗号通貨窃盗)が出来るかもしれない。ひょっとすると、すでにその手口で仕掛けをしたり儲けているかもしれない。

 

 次にいかに有能なハッカーとはいえ、かくも易々とかの国のサイトを無力化できたのか?いくつか仮説はある。

 

1)そもそも守る意志などない。

2)攻撃を受けるとは思っていない。

3)大した被害ではないと多寡をくくっている。

 

 多分2)の公算が高いのではと思う。攻撃一辺倒で、被害を受けることは想定していないというのは、かつての帝国海軍と同じ。まだその思想が、かの国では生きていると思えてくる。

 

 サイバー攻撃は非対称性がある。攻撃側が常に優位で「小よく大を制す」ことができる。今回はいつもは攻撃側である「国」が、個人から攻撃を受けて、ひょっとすると成すすべがないという事態かもしれない。

 

 かの国の技術者の行動様式を考えると、攻撃してカネ奪って来れば褒められる、しかしサイトを守っても、誰も評価してくれない・・・のではないかと思う。拉致問題含めて勝手なことばかりするなら、こういう形で反撃してやればいいのでは、と思わせた事件でした。