国民民主党の「手取りを増やす」政策に乗るため、与党との政策協議が続いている。最大の争点となっているのは所得税の「103万円のカベ」で、税収減となる一方「働く時間が増える」効果もあると言われる。ただ人手不足対策の「労働時間増」には、もうひとつの問題がある。それが「106万円のカベ」で、年収でこれを越えると厚生年金対象者になってしまい、労働者にも企業にも保険料負担が生じる。労働者がその分を取り戻すには、125万円まで年収(労働時間)を増やす必要がある。
上記政策協議で本件が取り上げられたとの報道はなく、政府・与党では「106万円のカベの撤廃」が議論され始めた。これには反発の声も高まっている(*1)が、将来国民年金だけという低年金者を減らす目的もあって、与党が意地で「手取りを増やさない」と考えているわけではない。

ただ政府与党は、増え続ける社会保障費の抑制をしようとしている。例えば高齢者の医療費負担増や、医療費上限の引き上げ(つまり患者負担増*2)も検討されている。これは医療が高度化し、命が助かる人が増える一方、高度医療のコスト負担が財政に重くのしかかっている現状を考えれば当然のことと思われる。ただ、この報道に対し<ヤフコメ>では、専門家が一定の評価をする一方、「生活保護者からも応分の負担を!」との叫びが目立った。
生活保護者のすべての医療費は、患者負担はゼロ。それゆえ「気軽に」受診して薬を貰って帰る。いくらなんでもゼロはないだろうというのが、その主張。生活保護受給者は微増を続けていて、165万世帯を越えている。
欧州では「移民・難民のケアに我々の税金を使うな!」との声が極右台頭を招いています。さほど移民・難民が多くない日本では、バッシング対象は生活保護受給者のようですね。
*1:「絶対に手取りを増やさない意志を感じる」厚労省「106万円の壁」撤廃に“パートいじめ”の怒り“実質増税”に中小企業も苦悶(SmartFLASH) - Yahoo!ニュース