Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

死刑が残る国・・・

 先週は、やたら死刑に関する報道が多い週だった。まずミャンマーで軍事政権に政治犯として収監されていた4人が死刑となったというニュースがあった。これはいつ、どのように執行されたかについては情報がない。ただ政治犯の処刑は76年ぶりとのことで、第二次世界大戦後の混乱期以来のことである。中露と欧米の対立が深まる中、軍事政権としては「多少制裁強化されても大したことはない」と見切ったのかもしれない。各国は一斉に非難しているが、現時点では打つ手はあまりない。

 

 もっとひどいのはイラン。こちらは正々堂々公開処刑である。フランス革命初期には、貴族をギロチンにかけるのが大衆のレジャーとなっていた。そんな時代をほうふつとさせる事件だ。

 

 そして日本でも、秋葉原殺傷事件の加藤智大死刑囚の死刑が執行された。事件は2008年というから、もう14年も経ったのかと驚かされる。容疑者はその場で逮捕されているから、かくも長い間裁判や拘置が続いていたことになる。死刑の確定は2015年だったから、確定後も7年死刑囚は収監されていたことになる。

 

    

 

 今も、死刑が確定しながら100人を大きく超える死刑囚が収監されている。「死刑執行の(法務大臣による)命令は6か月以内」とした刑事訴訟法475条は全くの空文だと思ったが、専門家によると、「死刑という重大な刑罰の執行にあたり慎重さが求められる。迅速な執行を求めることとのバランスが重要で、6ヵ月というのはその目安。6ヵ月を越えたからと言って違法とは言えない」とのお言葉。それは理解したものの、なんとなく言い訳っぽく聞こえた。

 

 ポリシーとして「命令」をしないという法務大臣もいたので、古川大臣の決断は政治的には評価されるべきでしょう。しかし、ミャンマー・イランのニュースの後で「日本でも死刑執行」と海外では報道されるかもしれません。この両国を同列にされ「日本には死刑が残っているんだ」との印象をもたせてしまうかも・・・。ちょっとタイミングが悪かったですかね。