「COVID-19」禍での「特定定額給付金」や「雇用調整助成金」の手続きが滞った原因のひとつは、政府・自治体が市民をちゃんと把握できていなかったことにある。せっかくマイナンバー制度を作ってあるのに、マイナンバーを活用できずデジタル化のメリットを活かした管理が全くできなかった。僕は今のワクチン接種者の管理、できればワクチンパスポートの導入までデジタル管理の下で行うべきだと思っている。
マイナンバー活用ができない理由として挙げられるのが、マイナンバーカード普及率が15%くらいしかなかったこと。その後増やしているが、精々20%だろう。さらに普及しなかった理由は、市民としてカードを持つメリットが少なかったこと。実質、確定申告くらいにしか使えなかったのだ。
そういう意味でカードアプリを増やすことが重要なので、しばらく前にマイナンバーカードに健康保険証機能(アプリ)を乗せるという政府方針が出た時は、経団連を始めとする産業界は歓迎した。さらに運転免許証アプリを乗っければ、もっといいと期待している。
ところが運転免許証に行く前に、健康保険証アプリの段階でトラブルが発生、運用が先送りになってしまった。
マイナンバーカードの健康保険証利用 本格運用先送りへ 厚労省 | マイナンバー | NHKニュース
この記事によると、患者の情報を正しく読み取れない事態が頻発、原因は入力されているデータにミスがあったということ。システムを導入する前にデータを精査することは基本中の基本、それを怠ったというなら計画を執行した厚労省のデジタル化リテラシーはゼロである。そういえば接触確認アプリ「COCOA」の時にも、厚労省のミスがあった。さらに15年前、第一次安倍内閣が倒れたのは厚労省の年金トラブルだった。第一次安倍内閣で官房長官だった塩崎議員が、第二次安倍内閣で厚労大臣として「改革」に努めたというが、根治できなかったと思われる。
僕が心配するのは、これらのトラブルが単に無知によって起きたものならまだしも、意図的なサボタージュだったらということ。官僚が政治家に対して「面従腹背」になっていたら、まっとうな行政が出来るはずがない。
厚労省だけでなく、今国会に提出される法案にミスが目立ち、野党が審議拒否までしています。まさかと思いますが、霞ヶ関全体にサボタージュの気運があるとしたら、これは大問題でしょう。