この日はミッドタウンでイベントがあり、慌ただしくオフィスを出て六本木駅までやってきた。オフィスを出る時は六本木ヒルズでのイベントと思っていたのだが、メトロ車内で入場案内を見るとミッドタウンだと気づいた。最近こういうポカが時々あるから、気を付けないといけない。
地上に出て、どこかで軽いランチを食べてからイベントに行きたい。「幸楽苑」はあったのだが、結構込み合っている。その先に「富士そば」があった。そういえば最近入っていないし、印象的な報道があったチェーンだ。
それは雇用調整助成金の不正受給疑惑、社員に対し勤務日の一部を休日として申請させこの助成金を得たというものだ。その店では確かに働いていないのだが、他の店に「裏出向」していたという報道もあった。創業者の丹氏は演歌好きで知られ、店内にも売り出したい演歌歌手の歌が流れる。庶民の味方というイメージがあったのだが、現在労働基準監督署が立ち入り調査中で、結果によってはイメージが壊れるかもしれない。その他に残業代未払い提訴も受けているはずだ。
そういう話題はあるものの、便利なランチの店であることは確か。どの店で食べても当たりはずれは少ない。今日の気分は「かつ丼」、ちょうどワンコインで食べられる。「ねとらぼ」が進めている調査では、そばチェーンで一番好きな「かつ丼」を出すのはどこという質問で、「和食麺処サガミ」、「ゆで太郎」についで３位につけている。
「ゆで太郎」もあまり見かけないし「サガミ」は見たことがないので、僕からすれば「富士そば」が一番ということになる。カウンター10席余りだけの店で、まあチェーンの中では大きい方だろう。先客は４名だけ。
２～３分待って番号を呼ばれて出してもらったのがこれ。そばつゆベースの吸い物ときゅうりの漬物が付いている。トンカツは80gということだが、専門店のそれよりは小さく見える。それでも美味しくて、懐かしい味だ。まだ現役時代、方々を駆け回っていたころは朝に昼に、ここの「かつ丼」にはお世話になったものだ。
「うまいぞ富士そば、偉いぞ丹さん」というのがキャッチフレーズだったと記憶している。早くホワイト企業としてのイメージを取り戻して、庶民のための商売に励んでいただきたいものです。ごちそうさま。
