Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

故意の通せんぼなら止めて!

 先週大阪に行って現地の産業界が、2025年の万博や統合型リゾート構想(IR)への積極姿勢を感じた。それを支えるものとして、第二名神高速道路2023年に全線開通、リニア新幹線の大阪乗り入れは2037年、北陸新幹線の大阪乗り入れも2046年と、多くの交通ネットワーク強化に期待が集まっていることも知った。

 

  中でもまだ先のこととはいえ、リニア新幹線への期待は大きかった。東京と1.5時間ほどで結ばれるなら、搭乗手続きなどを考えれば航空便より早いことになるし、便利さは格段に上だ。それなのに開通が本当に予定通りできるかどうか、今危惧されている。そのネックが僕の住んでいる静岡県だというのは、汗顔のいたりである。

 

 JRの計画では、リニア線が通過する各県に1カ所駅を設けることになっている。その唯一の例外が静岡県、路線は山間部をかすめるように通り、付近には在来線の駅もないからだ。だからなのかもしれないが、川勝知事はかねてリニア新幹線には否定的だった。いつごろからか、大井川流域の水源にトンネル工事が悪影響をもたらすと言っていた。そこで有識者を集めた会議を開き、工事の環境への影響を調べ始めた。

 

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 その結果、現行のリニア線工事は許さないとして、JRに計画の変更を求めた。JRとしてはルート変更などすれば、予定通りの開業は望めない。工法を工夫するなどして、なんとか現行のルートを通させてもらいたい。議論は霞ヶ関まで巻き込んで広がっているという。ところが、今回静岡県リニア環境保全連絡会議の文書に捏造疑惑が持ち上がった。

 

驚きの事実、静岡県リニア文書に「捏造」あった | 新幹線 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準 (toyokeizai.net)

 

 この記事が事実だとすると、静岡県側の「故意の通せんぼ」すら疑われる。他の県には駅があるのにという嫉妬心が動機で、今の騒ぎになっているのだとしたら恥ずかしい限りだ。以前静岡県静岡空港の利便性を増すために、空港の地下を走っている東海道新幹線の新駅を作るようJR東海に要望したらしい。しかしあまりにも掛川駅に近いためJRは拒否した。そのしこりが静岡県・・・というか川勝知事に残っているのかもしれない。

 

 「東海道新幹線空港駅とバーターなら、リニア工事予定通りでいいよ」なんて決着にはしないで欲しいのですが。