昨日に引き続き、次世代の軍用機の話題をもう一つ。軍用機の用途は広範にわたるが、大量の弾薬やミサイル、燃料など積んで任務に使う場合、どうしても長い滑走路が必要になる。これは固定翼機の場合で、回転翼機(いわゆるヘリコプター)では垂直離着陸が可能になるが、搭載量に限界がある。
そこで両者の「良いとこどり」をしようとして、VTOL/STOLという固定翼機(*1)が開発された。
・ジェット噴射方向を偏向可能としたハリアー
・プロペラの角度を変更させるオスプレイ
などが有名で、推力と揚力に別々のエンジンを使う機種もあった。いずれも整備や保守には手間がかかり、運用上の課題があった。しかし長大な滑走路を整備できないばあいには、重宝される機体である。
MV-22オスプレイは戦闘用ではなく、輸送や救助、その他特殊任務を担う機体として1989年に初飛行し、米軍等で運用されるようになった。僕自身は普天間基地で何度か目撃している。しかし、垂直機動と水平機動の切り替え時に空力特性が不安定になることがあり、基地周辺でよく事故を起こした。それゆえか、米軍は2026年に生産終了すると発表し、後継機種については沈黙したまま(*2)だ。しかし今回、
空飛ぶ車やドローンは忘れてください。Cavorite X7 は別物です。 |近未来
この記事の機体「Cavorite-X7」を見て、ティルトローターではなく翼内ローター形式の方がいいのではないかと思うようになった。推力用と揚力用の2種類の動力を使うタイプで、切り替えではなく両方を併用できるので、上記空力特性の不安定化は軽減できる。
加えてHo-229のような無尾翼機のスタイルを採るのであれば、昨日紹介したようなステルス性(*3)も獲得できる。翼内にローターを組み込んで、水平飛行時にはそれを覆い隠すシャッターも装備すれば、戦闘行動中のステルス性が確保できないないだろうか?
そんな期待を抱かせてくれる、民間の新鋭異形機の記事でした。
*1:VTOL垂直離着陸機、STOL短距離離着陸機