英国大使館から招待された「オンライン・レセプションパーティ」に参加した。半蔵門の英国大使館の映像が、すぐに横須賀港に停泊している空母「クイーン・エリザベス」の滑走路上のものに替わった。ロングボトム大使は、流ちょうな日本語で丁寧な挨拶をしてくれた。敬語の使い方などは、日本人より上手い。聞くと、これが3度目の在日大使館勤務だという。
続いて、昼間に録画された岸防衛大臣のメッセージも流れた。さらに空母の内部を巡るオンライン・ツアーがあり、目の前をF-35Bが発艦していくところ、艦内のトレーニング場や食堂、また格納庫でのQ&Aなど、マニアには嬉しいものだった。ハイテク船として、船内の3Dプリンタで航空機等の部品を作っていたのには驚いた。
先週「単なる砲艦外交ではない」と紹介したように、インド太平洋における多国籍海軍の合同演習という意義を持っている。艦隊の名称は、CSG21(Carrier Strike Group 21)といい、司令官は英国海軍のムアハウス准将。彼も海軍軍人らしい人懐こいヒゲ面で、挨拶をしてくれた。中核となっている「クイーン・エリザベス」は、英国海軍の最新鋭航空母艦。同型艦「プリンス・オブ・ウェールズ」とともに、英国に2隻しかない正規空母である。
◆Queen Elizabeth
・就役 2017年
・基準排水量 45,000トン
・満載排水量 67,699トン
・全長 284m
・全幅 73m
・出力 108,000馬力
・最大速力 26ノット
・搭載機 F-35B、ヘリコプターなど最大48機
・兵装 CIWS×3基、30mm機銃×4基
モアハウス提督は、第五世代ステルス戦闘爆撃機F-35Bを搭載し、電子戦能力を高めた第五世代空母だと紹介した。原子力ではなくガスタービンとディーゼル併用の発電機で電力を供給し、推進はモーターによる。速力は第二次世界大戦中の戦艦程度だが、VTOL/STOL型のF-35Bのプラットフォームとしてなら、さほどの高速は不要だ。そういう意味でも、新世代の空母といえる。
興味深いのは、英国のF-35Bだけでなく米国海兵隊のF-35Bも発着艦し、整備等の訓練もしてきたこと。まさにインド太平洋上の連合国共通のプラットフォームというわけだ。艦橋2本、スキージャンプ勾配付き、アングルドデッキなしの艦影、見慣れたらたくましく思えるようになりました。また来てね。