台湾有事があるとしたら、中国習政権が「ここまでなら米軍は介入してこないし、うるさい自衛隊と台湾軍だけなら蹴散らせる」限界を見極めた時だと思う。台湾軍や自衛隊の戦力(*1)向上は、そのハードルを上げるだろう。
なぜ米軍介入が無ければとの条件を付けるかというと、現時点と恐らく2030年までくらいは、中国は米軍と戦って勝つのは難しいからだ。もちろん、世界最強米軍の相対的な戦力は下がって来ていて、それゆえ同盟国(特に日本)の戦力強化や連携緊密化に熱心なのだが、それでも隔絶した技術力・戦闘力の差はある。
その象徴が、現時点では米軍しか持っていないステルス戦略爆撃機という機種。初飛行は1989年と古いのだが、現時点でも米軍は20機しか保有していない「B-2スピリット」だ。先月、毎年恒例のお披露目があって、ミズーリ州ホイットマン航空基地で12機が滑走路上に並んだ(*2)という。
1機あたり20億ドルという高価な機体だが、米軍では後継機も開発していて「B-21レイダー」という。こちらは少し安くなって7.5億ドルほどらしい(*3)。しかし、実際に配備される頃には値上がりしているだろう。
では中国はどう対抗しようとしているのだろうか?極めて似た形状の、H20というステルス機を開発中という。いずれも、旧ナチスドイツが開発していたHo229に似た無尾翼機。ただ、この機体(期待?)に対して、米軍国防省がダメだしをしている。
米新型ステルス爆撃機「B21レイダー」が初試験飛行 1機1100億円超 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)
この発言には2通りの解釈があって、
・中国軍何するものぞとの、国内(&ワシントンDC)へのアピール
・中国軍事、技術部門への挑発
なのだが、通常米軍は「中国軍の脅威を騒ぎ立てることで予算を確保」するのにどうして仮想敵国をけなすのだろうか?ま、このあたりは、10年単位で後日譚を聞いてみないと分かりませんよね。
*1:交戦規則や継戦能力を含む可用性があること
*2:「世界一高価な飛行機」ズラリ 異例の“お金かけすぎ演習”米空軍が実施 いったいどんな意義が | 乗りものニュース (trafficnews.jp)
*3:米新型ステルス爆撃機「B21レイダー」が初試験飛行 1機1100億円超 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)