「悪の枢軸」という言葉は、2002年米国ブッシュ大統領が一般教書演説の中でエキセントリックに使った言葉である。当時は「対テロ戦争」が始まったばかり、テロリストの支援者という意味だったかもしれない。枢軸国と名指しされたのが、
・イラン(アフマディネジャド)
だった。その後イラクは米軍に降り、フセインは殺された。今、この言葉を使うとすると、ロシア・イラン・北朝鮮かもしれないし、その後ろ盾(ラスボス?)としての中国も入るかもしれない。その構成が、また替わるかもしれない。今回の核施設攻撃で、イランに体制の変化がありそう(*1)なのだ。
米軍の駐留はないにしても、イランが指導者を失って液状化してしまうかもしれない。かつてのイラクのように「直接的な悪」ではなくなる公算が出てきた。

替わって米国にとって脅威となりつつあるのがパキスタン。先日のカシミール紛争では、中国製J-10戦闘機を使ってインド軍のラファール戦闘機を撃墜する戦果を挙げている(*2)。すでに核兵器保有をしているし、軍事大国への道を歩んでいる可能性が高い。さらに、
米標的にミサイル開発か トランプ政権接近の背後で―パキスタン:時事ドットコム
このような記事が出るに至り、トランプ2.0政権が黙っているかどうか不透明だ。核を搭載したICBMが米本土に届くということでは、北朝鮮より脅威は大きい。トランプ大統領の最大関心事は「ぼくちゃんのノーベル平和賞」なので、それに賛同しているうちは大丈夫とタカをくくっているかもしれないが、隣国インドが何か工作をする公算は少なくない。
イランが抜けてパキスタンが入ってくる「新悪の枢軸」。しかし国際社会全体から見ると、米国・イスラエルこそ「悪の枢軸」だという人がいてもおかしくないですよね。
*1:【解説】最高指導者ハメネイ師が目にするのは、これまでとは違うイランだ――BBCペルシャ語特派員 - BBCニュース