暗殺未遂事件以降、米国大統領選挙の行方は明らかになりつつある。このまま、何かのカタストロフがなければ共和党トランプ候補が勝利を収めるだろう。先週の共和党大会では、共和党だけでなく米国全体の団結(!)を求める雰囲気も出てきた。表面だけかもしれないが「脱悪魔化」している。
先月、まだ公開討論が行われる前に<Bloomberg誌>が、トランプ候補に政権構想を聞いている。
トランプ氏が政権構想明かす、経済・防衛・外交網羅-FRB議長運命は - Bloomberg
この中から、経済に関するものをピックアップしてみた。

◆基本は低金利と低課税
FRBには利下げを求めるが、パウエル議長を交代させる気はなさそう。法人税は20%~15%に下げたい。切りのいい数字がいいという。
◆国内産業支援を鮮明に
ロシア等への経済制裁は好まないとしながら、対中国のEV等には60~100%の関税をかける。他の国からの輸入についても、一律10%関税をかける。台湾の半導体にも厳しい目を向け「産業を盗まれた」と言っている。
◆エネルギー産業も後押し
シェールオイルやLNGなど、環境問題で後退してきた分野で巻き返す。これがインフレ対策にもなる。
◆仮想通貨も<TikTok>もOK
デジタル産業への言及はあまりない。相応の規模になっている仮想通貨は容認、かつては禁止しようとした<TikTok>も認める(*1)ようだ。
◆ビッグテックとは冷戦?
本質的には嫌っているが、大きくなりすぎているのであからさまな敵対はしないだろう。緊張感ある水面下のかけひきが続く模様。
総じて「産業≒製造業」の感覚があるようです。すでに米国は製造業の時代を20世紀後半には終え、金融業・テック業の時代になって久しいのですが、トランプ先生とその支持者たちは、これを理解していない模様。さて、どうなりますか・・・。
*1:自ら選挙運動に使っているしね。文字だけのSNSより映像の方が多くの人に浸透しやすいことに気づいたらしい