Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

AI開発規制、無理じゃないの?

 「Chat-GPT」のインパクトは、方々の分野に強く響いている。最高学府の論文作成でも中程度の出来になるから、学生の懸賞論文などで校正以外の使用を禁止するという。まあ、個人の能力を測るものだから、仕方ないだろう。マラソン競技に電動自転車を使ってはいけないのと同じだ。

 

 そういう規制ではなく、高度なAI開発を一時的にせよ停止せよという声が上がっている。お騒がせ者の代表格イーロン・マスク氏の名前が挙がっているが、共同提言している1,000人の人の名前を見ると、単純な「お騒がせ」ではないことがわかる。

 

マスク氏ら、AI開発の一時停止訴え 安全性の確立優先 | ロイター (reuters.com)

 

 欧州委員会は、すでに「ハイリスクAI」の開発を禁じている。AI開発には「倫理」が必要だとの意見も根強い。その気持ちもわかるのだが、そもそもAI開発規制って可能なのだろうか?

 

    

 

AI兵器がいよいよ登場 - Cyber NINJA、只今参上 (hatenablog.com)

 

 欧州委員会の人達と2年前に議論した時、ロシアのAI兵器開発が欧州諸国より進んでしまえば「イベリア半島までロシア領になる」と申し上げた。ロシアが技術はともかく「意志」を持っていたことは、昨年のウクライナ侵攻で証明されている。

 

 加えてロシアより大きな脅威となりつつある中国も、AI開発には熱心だ。西側がAI兵器開発で(6ヵ月でも)後れを取れば、太平洋は習大人の風呂おけになってしまうかもしれない。

 

 AI開発規制は、大量破壊兵器開発の規制論を似ていると思う。核兵器開発は、第二次世界大戦という環境があって、加速された。戦争が終わっても、各国は核兵器開発に血道をあげた。どこかの国が「規制」に参加しなければ、開発競争は止まらない。

 

 より強いAIを開発する以外、この脅威を防ぐすべは無いように思うのですが。