東京オリンピックの金メダル数では米国に1個及ばなかった中国だが、AI研究では質・量ともに米国を上回ったと伝えられる。
中国AI研究、米を逆転 論文の質・量や人材で首位: 日本経済新聞 (nikkei.com)
この記事では2020年にAI研究の論文引用数で、中国が米国を逆転したとある。すでに論文数(2012~2020年の合計)では、中国が25万本に迫り首位。米国は16万本ほどで2位、以下インド(6万本)、英国、ドイツ、日本、フランス(おおむね4万本前後)と続く。量に加えて引用数が増えて来て、質の逆転も見られるというわけだ。
目指すのは「汎用AI」、人間のように考えいろいろなことができるAIである。別の言葉で言えば「意味の分かるAI」で、先日もこのようなAIが登場するのは2030年頃とする専門家の意見を引用した。
中国の研究開発と言えば、現下の状況では軍事的脅威を思ってしまうのだが、もちろん彼らも軍事用途のためだけにAI研究をしている訳ではない。その目的を、ある中国研究者が教えてくれた。中国はすでに「製造大国」だが、次の目標は「製造強国」だという。安い製品で世界の市場を奪うことは、後発の国(ASEAN・インド?)に譲り、より強い製品で市場を確保するということらしい。
すでにマイルストーンは、2017年の中国共産党の第19回全国大会で示されているという。つまり、
2015年 「中国製造2025」を発表
2021年 「中国標準2035」を発表予定
2025年 「製造大国」から「製造強国」へ、量から質への転換
2035年 「製造強国」の中等レベルを達成
2049年 「製造強国」のTOPグループ
を実現するキー技術がAIというのだ。そのためのマイルストーンもあって、
2017年 「次世代AI開発計画」を発表
2020年 大国と競争可能なAIパワー、規範・政策・規制の枠組みを構築
2025年 AI基礎理論・技術・応用で世界最先端レベル、法・倫理基準を充実・成文化
2030年 世界のAIイノベーションセンター、法・倫理基準を改善
となっている。少なくとも論文の質・量、それを支える人材については、マイルストーン通りかそれ以上に進捗しているわけだ。
いや、さすがは習大人。「有言実行」ということでしょうか。