Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

AI兵器がいよいよ登場

 先週「世界軍事力ランキング」を紹介して、改めてロシアの「国力」を感じた。先日START(戦略核削減条約)を更新したことで、1,500発を超える戦略核兵器を持っていることも分かった。政敵ナワリヌイ氏を逮捕したり、豪華なプーチン宮殿がネット上で暴露されるなど、内政は揺らいでいるのだが、プーチンを倒したところで問題が解決するとは思えない。より混迷が深まるだけのように、僕は思う。彼だから、あの複雑な国をガバナンスできているのだ。

 

ロシア国防大臣、AIの軍事利用の重要性を主張「AI技術の兵器への活用が将来の戦力を決定する」(佐藤仁) - 個人 - Yahoo!ニュース

 

 軍事力第二位の国で、AI技術を磨いて兵器を強化するとの国防大臣の発言があった。すでに2017年にプーチン大統領自身が「AI技術でリーダーになれば、世界のリーダーになれる」と言っている。これは経済分野のことを言っていると言い逃れることも出来るが、今回の国防大臣の発言ではっきり「軍事分野でのAI利用」を表明したことになる。

 

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 まあこれも当たり前の話で、囲碁・将棋の世界ではすでに「AI以前、AI以後」で定跡が変わってしまっている。AIを利用すれば勝てるのだから、勝負の世界で活用されるのは当然と言える。この記事で紹介されている、

 

・自律型艦隊「ポセイドン」

・自律型戦車「Marker」

・自律型殺傷兵器「キラーロボット」

 

 が出てくるのは、ロシアだけではなく自然な流れと言える。人間の判断を介さないで、AIが(自動的に)攻撃する兵器たちだ。それなのに欧州委員会では兵器の話などはしないで、AIの活用に制限を付けようとしている。

 

欧州委「AI白書」を巡る議論(2) - Cyber NINJA、只今参上 (hatenablog.com)

 

 ヘルスケア・エネルギー・交通・一部公共の分野で、人の身体生命その他に大きな影響を与える可能性のあるものを「ハイリスクAI」として、開発・運用に規制をかけようとしているのだ。これも人間の判断を介さないことに、欧州委員会が危惧を示しているということだ。

 

 AI兵器など間違いなく「ハイリスクAI」だと思うのだが、まさか欧州各国はAI兵器開発を規制するのだろうか?あるいは人間の判断を介することを条件にするのだろうか?それじゃロシア軍に勝てませんよね。イベリア半島までがロシアになっても知りませんよ。