欧州大陸の後進国だった「大ロシア」、歴史に登場する最初の王朝「リューリク朝」は今のウクライナの地に、9世紀に誕生している。中心となったのはスラブ人ではなく、ゲルマン系のヴァリヤーグ人、つまりヴァイキングの一族だったようだ。そのころスラブ人は、多くの部族に分かれて内紛を繰り返していたという。
「リューリク朝」はやがてキエフの地に移り、ビザンチン帝国からキリスト教を受け入れている。イスラム教ではなくキリスト教だった理由は「お酒が呑めること」だったらしい。この王朝は300年にわたってモンゴル帝国の支配を受けるものの存続し、1600年代まで生き延びた。しかしスウェーデン軍やポーランド軍との戦いに疲れ、モスクワを防衛したものの王朝は倒れた。その後を継いだのが「ロマノフ王朝」である。
先週のプーチン大統領の発言を聞いて、この歴史を思い出した。曰く、
・ロシアとウクライナは不可分だ。
・北京五輪に(ロシア正教の教えに反する)LGBT選手は送らない。
・NATOから攻撃しないとの保証を求める。
ソ連崩壊でロシア+CISという緩い連合になってしまったので、ウクライナ(独立すれば世界第三の核兵器大国になるはずだった)から泣く泣く核兵器を引き揚げ、東欧がNATO化し、バルト三国も独立してしまった。かつてのスウェーデン・ポーランド軍侵攻のような危機が迫っていると、ロシアは感じている。
そしてさらにウクライナのNATO加盟などということがあれば、発祥の地を奪われるだけではなく、直接NATO軍の脅威を受けることにもなる。これに対しロシアは、10万人規模の地上軍をウクライナ国境に展開し、侵攻の可能性もあると識者は言う。
ロシアといえば、僕らの業界では「民営化されたサイバー攻撃部隊の多い国」というのが常識。恐らくは軍あるいはそれに準じた組織が作った攻撃用ツールが、素人でも容易に入手できる。ロシア語配置のキーボードのPCには感染しない仕掛けがしてあるそうで、サイバーセキュリティの専門家の中には、キーボードをロシア語版にしている人もいるという。
ウクライナ紛争など起きて欲しくもないし、ロシアからのサイバー攻撃も減ってほしいと正直思う。来年は緊張緩和で、プーチン先生も自国内の犯罪者をちゃんと取り締まってもらえるようになることを期待します。・・・初夢かな?