Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

HUMINT by "Trojan Horse"

 「トロイの木馬」と言う言葉は、このところもサイバーインシデント急増によって、多くの人の耳に届いたような気がする。語源はもちろん、ギリシア神話トロイアを攻めあぐねていたギリシア軍は、退いたと見せて城門の前に巨大な木馬を残した。トロイア側は木馬を城内に引き入れたが、木馬の中にはギリシア兵が潜んでおり、夜半に木馬を出ると城門を内側から開いて奇襲攻撃をかけたというもの。

 

 ソフトウェアとしての「トロイの木馬」は、外観は有益もしくは無害なソフトウェアに見せかけながら、潜入すると悪意のある行動をするマルウェアの一種である。かつてはブラックハッカーたちの特殊なツールだったが、今は「初心者」でも「闇ウェブ」で入手可能だし、政府・法執行機関が逆に使用することもある。もちろん国家間のサイバー諜報でも、普通に使われていると思われる。幸か不幸か、ポピュラーになったということだ。

 

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 このところのサイバーインシデントを勉強するつもりで「トロイの木馬」でニュースを検索したら、こんなものまで引っかかってきた。

 

【国家の流儀】スパイを送り込む日本共産党の「トロイの木馬」作戦に警戒 立民に仕掛け、日本の対中姿勢弱める? (1/2ページ) - zakzak:夕刊フジ公式サイト

 

 ひょっとしたらデジタルも併用しているのかもしれないが、日本共産党が旧来型の「HUMINT型のトロイの木馬作戦」を展開しているという記事。ここにあるように、立憲民主党共産党の議員たちが対談する形式で編纂された書籍は、出版直前で差し止めになっている。

 

 立憲民主党として、各選挙区に固定票を持つ共産党との選挙協力が魅力的なのは、理解できる。しかし支持母体の「連合」等は、共産党との選挙協力や最終的に連立政権を組むようなことにはアレルギーがある。現時点では当該書籍の総選挙前の出版は見送るというのは、妥当だと思う。

 

 しかしこの記事にあるように、同党が「トロイの木馬」を各所に、例えば立憲民主党中枢に送り込んでいる可能性は否定できない。自公政権に非難が集まりながらも、立憲民主党の支持率が伸びないのには、こういう背景もあるだろう。

 

この人たちの「Society5.0」 - 新城彰の本棚 (hateblo.jp)

 

 この書は「トンデモ本」の類だという人もいましたが、少なくとも疑惑は充分かと思います。秋にもある総選挙までに、僕らも考えないといけませんね。