海上自衛隊の新鋭潜水艦「そうりゅう」が、貨物船と接触して艦橋と潜舵を破損した映像がニュースで流れている。ちょうど「えひめ丸」事件から20年経った時期だけに、潜水艦が浮上時に水上艦艇と接触(衝突)するというあってはならない事とあらためて思う。「そうりゅう」の件については原因は不明だが、「海上自衛隊も大したことないな」と仮想敵国に思われるのは大きな痛手だ。
ただこの数年、日本の軍事力の評価が上がっているという話は聞いている。今回はその指標の一つ「世界軍事力ランキング」を見つけた。これは米国のシンクタンク<Global Firepower>が毎年発表しているもの。一国の軍事力を総合的に判断するのは、とても難しい。いっぱいお金を使って新兵器を揃えても、初期不良で全く役に立たなかったり、訓練不足で実力が出せなかったりする。そんな戦術級の話以上に、軍事同盟や戦略核兵器など戦略級の能力や意思を測るのは難しい。
専門家によれば、兵器の数、質、種類から地政学的考察、資源力、産業構造、兵士の数、質、潜在的兵士の数(人口)、核兵器ボーナスポイント、NATOなどの軍事同盟ボーナスポイントなどが総合的に評価されているらしい。
2021 Military Strength Ranking (globalfirepower.com)
直近の2021年のランキングでは、
1位 米国
2位 ロシア
3位 中国
4位 インド
5位 日本
6位 韓国
7位 フランス
8位 英国
9位 ブラジル
10位 パキスタン
となっている。この数年、1~4位は不動。ただ2020年版より、ロシアと中国の差は開いている。日本と韓国は2020年には僅差だったが、これも開いてきた。このところの日本の評価は上昇傾向で、
2017年 7位
2018年 8位
2019年 6位
2020年 5位
2021年 5位
と順位を上げている。2016年以前には10位以下だったのに、2017年に上位にいたフランス・英国・韓国を抜いて現在は5位である。これに反応しているのが韓国、日本に抜かれたのもショックらしく、2019年の記事では、
「安倍政権が専守防衛原則を実質破棄し、積極防衛に転じたことが影響している」
と分析している。北朝鮮は25位と低迷しているのに、そんなことより日本のことが気になるらしい。それで空母建造というわけですかね?