Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

中国の影が気になる

 ミャンマーで軍のクーデターが起きた。スー・チー外相や大統領ら与党の主だった人々が軟禁され、インターネットを含む各種通信が封鎖状態だという。米国はじめ各国が非難の声明を出しているのに、中国は軍に理解を示すような態度だ。以前、ミャンマーが「Great Fire Wall」の向こうにいってしまわないか気になって、記事を書いたこともある。

 

ミャンマーという最前線 - Cyber NINJA Archives (hatenadiary.com)

 

 ここで指摘したように、中東からの原油を中国が輸入するのに、シンガポールを経由して中国沿岸の港に上げるルートだけでなく、ヤンゴンに上げてそこからパイプラインで雲南省に運ぶルートが出来上がっているだろう。FOIPなどで海輸ルートが妨害されて、干上がってしまうことへの対応である。そうなるとミャンマーという国は、中国にとっての「地政学的重要国」で、今回の軍事クーデターにも中国の影があるのではと、僕などは疑ってしまう。

 

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 2014年ごろだったか、安倍昭恵(当時)総理夫人が「ミャンマー祭り」の名誉顧問を務めるなど、この国に関心が高かった時期に、企業がミャンマーへの支援を模索したことがある。僕の会社もそのひとつで、TOPの指示で僕は現地に飛んだ。そこで企画したのが、ミャンマーの大学の教員たちにデジタル系の最新事情を教える教育プログラム。

 

 東京にある企業内研修施設を使い、付近のビジネスホテルを抑え、社内だけでなく産官学の知己を頼って2週間のメニューを作った。内閣官房総務省経産省にはデジタル政策や研究開発の話を、慶應大学にはデジタル経済の話をしてもらった。僕自身も1コマ(90分)担当した。

 

 このプログラムは5年続き、のべ25名のミャンマーの人が日本のデジタル技術・経済・経営を学んで帰っていった。その中にはその大学の女性副学長や、官僚の局長クラスもいた。特に英語で苦労したものの、今では懐かしい思い出。あの時僕らの話を聞いて、感謝もしてくれた人たちは、クーデター下でどうしているのだろう?

 

 TVニュースの映像に、これも懐かしい「シュエダゴン・パゴタ」が映りました。拝礼するには靴を脱ぐことになり「焼けたトタン屋根の上のネコ」のような体験をしました。ちゃんと。金箔の寄付もしました。うーん、もう行くことも無いでしょうが・・・。